2010年4月の国連安全保障理事会の主な動き（議長国：日本）
紛争後の平和構築
- 16日，岡田外務大臣は，日本が安保理議長国として開催した「紛争後の平和構築」に関する安保理公開討論に出席し，日本の外務大臣として初となる議長を務めた。今次公開討論では，潘基文国連事務総長のほか，アフガニスタン外相，ボスニア・ヘルツェゴビナ外相，東ティモール法相，シエラレオネ防衛相より各国の経験や知見に基づく発言が行われ，安保理理事国に加え，29の国・機関が発言を行い，平和構築戦略に関して包括的な議論が行われた。今次公開討論の最後に，安保理として政治，治安及び開発等に統合的に取り組むための戦略の必要性を指摘し，各分野でとられるべき政策及び国際協力の内容を盛り込んだ安保理議長声明（S//PRST/2010/7）（和文 ・英文（PDF）
）が発出された。
スーダン
- 29日，国連スーダン・ミッション（UNMIS）のマンデートを2011年4月30日まで1年間延長することを決定する決議第1919号を全会一致で採択した。同決議では，2011年に予定される南部住民投票支援に向けた国連の取組につき事務総長に報告すること等を要請している。
西サハラ
- 30日，国連西サハラ住民投票監視団（MINURSO）のマンデートを明年4月30日まで一年間延長すること等を内容とした決議第1920号を全会一致で採択した。
ソマリア・海賊
- 27日，ソマリア沖の海賊行為を犯した者を訴追・収監するとの目的を推進するためにあり得べきオプションについて，事務総長に3カ月以内に報告を要請する決議第1918号を全会一致で採択した。
安保理作業方法
- 22日，日本のイニシアチブにより，安保理の作業方法に関する公開討論が行われ，理事国以外の国連加盟国38カ国（計53カ国）が参加・発言し，本件に関する高い関心が示されるとともに，安保理の透明性向上や非理事国の意見反映の必要性につき，活発な討論が行われた。日本は安保理「文書手続作業部会」の議長として，今次討論のフォローアップを行っていくこととなる。
女性・平和・安全
- 27日，ワルストローム事務総長特別代表及びマヤンジャ特別顧問より，事務総長より提出された決議第1325号履行指標案等につきブリーフィングが行われ，右指標案の提出を歓迎するとともに，その更なる検討と，決議第1325号採択10周年までに安保理として包括的指標を採択する意図を表明する議長声明（S/PRST/2010/8）を発出した。
ギニアビサウ
- 1日，ギニアビサウで政府首脳等が軍によって逮捕された事件について懸念を表明し，当事者に対し，暴力を避け，憲法秩序を守り，法の支配を尊重し，意見の相違を対話で解決するよう呼びかけるプレス・ステートメントを発出した。
イラク
- 6日， 現在のイラク開発基金（DFI）に替わる取決めへの移行のための検討状況について，山崎国連財務官及びアブドルバシート・トルキー・サイード・イラク財政専門家委員会（COFE）委員長よりブリーフィングが行われた。
コンゴ（民）
- 13日，ドス国連コンゴ（民）ミッション（MONUC）事務総長特別代表より，MONUCマンデート延長を巡るコンゴ（民）政府の立場及び国連事務局の考え方等につきブリーフィングが行われた（なお本月予定されていたコンゴ（民）を訪問する安保理ミッションはアイスランド火山噴火の影響により延期となり，5月に実施される予定）。
中東情勢
- 14日，公開討論が行われ，パスコー政務局長より，二国家解決に向けた主要な論点に関する当事者間の交渉の早急な再開が急務である事等のブリーフィングが行われた（アラブ諸国，イスラエル等，非安保理理事国17カ国も参加した。）。
ハイチ
- 28日，討論が行われ，地震後のハイチに対するMINUSTAHと国際社会の支援のあり方について議論が行われた。
ドブルイニン元ソ連駐米大使／元国連事務次長逝去
- 8日，6日に逝去したことが発表されたA．ドブルイニン元ソ連駐米大使／元国連事務次長に哀悼の意を表するプレス・ステートメントを発出した。
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