宇宙
国際宇宙ステーション協力計画(ISS計画)
令和5年6月1日
1 国際宇宙基地協力計画(ISS計画:International Space Station)の概要
- (1)高度約400キロメートルの地球周回軌道上に平和的目的のための常時有人の民生用国際宇宙基地を構築し、宇宙環境を利用した種々の実験、地球・天体観測を行う計画です。
- (2)ISS計画は1984年、レーガン米大統領(当時)による各国への呼び掛けをきっかけに、日・米・加・欧による科学技術プロジェクトとして始まり、旧・国際宇宙基地協力協定が、1988年に署名され、1992年に発効しました。その後、1993年末に、ISS計画へのロシア連邦の参加が正式に決定され、それに伴い1998年1月に新・国際宇宙基地協力協定(以下単に「国際宇宙基地協力協定」)が作成され、2001年3月に発効しました。
- (3)1998年11月より軌道上での組立が開始され、2000年11月に宇宙飛行士の常駐が開始されました。日・米・露・加・欧の5極15か国のパートナーシップにより40数回に分けて打ち上げられ、2011年7月に完成しました。
- (4)2003年2月、アメリカ航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル「コロンビア号」が、科学実験ミッションを終えて地球に帰還する際、大気圏内で空中分解し乗員7名が死亡。スペースシャトルはISS計画における主力の輸送機であるため、ISS計画に影響を与えることが懸念されていましたが、2005年7月、約2年半ぶりにスペースシャトルの打上に成功し、更に2006年7月の飛行成功により、ISS常駐が3名に2009年5月からは6名に増員されました。
- (5)2021年12月、米国はISSの運用を2030年まで延長する旨発表し、日本は2022年11月、2030年までのISS運用延長への参加を表明しました。
- (6)日本は、主として日本の実験棟(JEM: Japanese Experiment Module、愛称「きぼう」)の提供を担当し、現在は各種利用実験等を実施しています。
2 国際宇宙基地協力協定・了解覚書の枠組み
- (1)国際宇宙基地協力協定は、1998年1月に日、米、加、露、欧州宇宙機関加盟国(当時)の計15か国が署名し、2001年3月に発効しました。
- (2)国際宇宙基地協力協定の実施のため、アメリカ合衆国以外の4極の協力機関(日本については日本国政府)は、アメリカ合衆国の協力機関であるNASAとの間で宇宙基地協力活動の詳細を定める了解覚書を締結しています(日米間の了解覚書は2001年6月に発効)。
- (3)国際宇宙基地協力の活動は、国際宇宙基地協力協定及び了解覚書を法的な基盤として実施されています。
3 日本の取組み
- (1)国際宇宙基地を活用した科学実験等を円滑に実施できるよう、関係機関との間で協力を進めています。
- (2)国際宇宙基地における日本の実験棟「きぼう」は、2008年3月11日、「きぼう」船内保管室をスペースシャトル「エンデバー号」(土井宇宙飛行士搭乗)で打上げ、同宇宙飛行士が組立作業を実施しました。また同年6月には、「きぼう」船内実験室・ロボットアームをスペースシャトル「ディスカバリー号」(星出飛行士搭乗)で打上げ、船内実験室取付け等のミッションを実施しました。さらに、2009年7月に、3回目の「きぼう」組立てミッション(船外実験プラットフォーム等を打上げ)により、ISSに長期滞在中の若田宇宙飛行士が組立て作業を行った結果、「きぼう」を完成させました。
これまで、11名の日本人宇宙飛行士が宇宙に滞在し、ISSの保守作業や宇宙環境を利用した科学実験などを行っています。