科学技術
国際科学技術センター
(International Science and Technology Center, ISTC)
令和6年5月9日
1 概要
旧ソ連において大量破壊兵器及びその運搬手段の研究開発に従事していた研究者・技術者が参画する平和目的の研究開発プロジェクトを支援するために設立された国際機関。近年はCBRN(化学、生物、放射性物質及び核)分野で様々な地域の科学者らの事業を支援。事務局本部はアスタナ(カザフスタン)。
2 設立の経緯
冷戦終結後、旧ソ連において大量破壊兵器の開発・製造及びミサイル運搬システムに従事していた科学者・技術者の知識の拡散の危険性が高まった。これを受けて1992年11月27日、日本、米国、EU、ロシアの4極は「国際科学技術センターを設立する協定」に署名、1994年3月、「国際科学技術センター」がモスクワにて発足。現在は「国際科学協力センターを継続する協定」(2017年)に基づいて活動。
3 参加国・機関(2021年8月現在)
日本、米国、EU、ノルウェー、韓国、カザフスタン、アルメニア、キルギス、ジョージア、タジキスタンが参加。
4 活動内容・支援実績
プロジェクトの対象分野は、基礎研究、核融合、エネルギー、原子力安全、医学、電気工学、材料、宇宙・航空等広範な範囲にわたっている。これまでに各国政府・民間企業等が支援したプロジェクトは計3,600件以上、約12億5,000万ドル。うち、日本政府の支援表明は約8,680万ドル。
(1)オープンコールプロジェクト(旧レギュラー・プロジェクト)
支援国政府の資金拠出により実施するプロジェクト。日本、米国、EU、韓国、ノルウェーが資金を拠出している。
(2)パートナー・プロジェクト
民間企業等が「パートナー」として直接、資金的貢献を伴う参画を行うもの。パートナーとなることにより、企業等はロシア・NISの優れた研究者と比較的安価な研究経費で共同プロジェクトが実施でき、かつ、課税免除、通関の容易さ等の面でも優遇される。現在登録されているパートナーは約450団体で、そのうち、日本のパートナーは85団体。