国際法
第1回東京国際法セミナーの開催(結果概要)
令和5年9月7日
8月21日から24日、外務省は、東京(国連大学)において、第1回「東京国際法セミナー」を開催しました。
1 目的
- アジア・アフリカの行政官等に実務者向けの国際法研修を提供し、国際法の知識を高め、交流を促進することにより「法の支配」に導かれた平和の実現に貢献する。
- 日本の弁護士や若手国際法研究者にも参加の門戸を開くことで日本における国際法分野の人材育成を図る。
3 結果概要(PDF)
- アジア・アフリカ諸国の行政官等12名(バングラデシュ、ブルネイ、ガーナ、インドネシア、ケニア、オマーン、フィリピン、サモア、サウジアラビア、タイ、ベトナム、AALCO事務局)、日本国内の協賛法律事務所所属弁護士・若手国際法研究者等、約50名がセミナーに参加しました。セミナー期間中、著名な外国人国際法専門家、日本人国際法学者等により、国際法実務で特に重要な各分野や国際裁判実務等について講義を実施しました。
- 8月21日の研修冒頭、今次セミナーの開催にあたって林芳正外務大臣によるビデオメッセージを放映しました。
- セミナー初日にあたる8月21日、武井俊輔外務副大臣主催によるレセプションを国連大学で実施しました。
- 講義一覧(一部動画あり)
- 「基調講演:政府職員の免除と国際犯罪の追訴」ダポ・アカンデ・オックスフォード大学教授、ILC委員
- 「法の支配」御巫智洋・外務省国際法局長
- 「国際訟務」ポール・ライクラー11KBW法律事務所弁護士
- 「国連国際法委員(ILC)」浅田正彦・同志社大学教授、ILC委員
- 「国家責任」濵本正太郎・京都大学教授
- 「免除、外交・領事」フィリッパ・ウェッブ・キングス・カレッジ・ロンドン教授
- 「国際人道法」クボ・マチャク・エクセター大学教授
- 「サイバー行動に適用される国際法」クボ・マチャク・エクセター大学教授
- 「海洋法、領土」西本健太郎・東北大学教授
- 「国際刑事法」河島さえ子・元国連旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)法務官
- 「国際環境法」高村ゆかり・東京大学教授
- 「国際法における現在の課題~AALCOの役割」カマリン・ピニットプーワドン・アジア・アフリカ法律諮問委員会(AALCO)事務局長
- 「特別講義:国際法の遵守確保」(岩沢雄司・国際司法裁判所裁判官)
- 「法制度整備支援」森永太郎・国連アジア極東犯罪防止研修所所長、須田大・法務省法務総合研究所国際協力部副部長
- 「国際仲裁における効果的な書面・口頭弁論」ゲイリー・ボーン・ウィルマー・ヘイル・法律事務所弁護士
- 「ISDS・国際投資法」玉田大・京都大学教授
- 「WTO協定の国内実施」福永有夏・早稲田大学教授
- 「条約締結と国内実施」片平聡・外務省経済局長
- 8月24日、修了式が実施され、外務大臣名の修了証書が修了者に手渡されました。
- 本件セミナーの関係団体は以下のとおりです。
主催:外務省
共催:日本弁護士連合会、国際法学会
後援:国連大学、アジア・アフリカ法律諮問委員会(AALCO)協賛:アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業、西村あさひ法律事務所、TMI総合法律事務所、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業、ベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)、シティユーワ法律事務所、弁護士法人北浜法律事務所、古賀総合法律事務所、桃尾・松尾・難波法律事務所、森・濱田松本法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、真和総合法律事務所
4 国際法模擬裁判「アジア・カップ」の開催
このセミナーの開催に当たっては、アジア諸国の学生を対象として、平成11年から毎年日本で開催している国際法全般を扱う模擬裁判の国際大会として、アジア最大規模の国際法模擬裁判「アジア・カップ」も開催し、バングラデシュからのチームが優勝しました。