ODAと地球規模の課題

平成25年12月9日
 12月6日、日本政府と世界銀行の共催により、各国のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の課題と経験を共有するために「保健政策閣僚級会合」が開催されました。
 
この会合は、過去2年間実施してきた「日本政府と世界銀行によるUHCに関する共同研究」の研究報告を目的として開催されました(アジェンダ(PDF)PDF)。この研究は、日本の国民皆保険制度が2011年に50周年を迎えたことを機に、日本のUHCに関する経験・知見を共有し、各国のUHCに向けた政策への適用可能性を検討することを目的として実施されました。
 
 この会合には、政府から麻生副総理兼財務大臣、田村厚生労働大臣、木原外務大臣政務官及びキム世界銀行総裁が主催者を代表して出席した他、各国の保健大臣に加え、政府関係者、国際機関、援助機関、研究者、NGOの代表等の総勢約200名が参加し、活発な議論が交わされました。 

 会議冒頭の挨拶において、麻生副総理兼財務大臣は、日本が戦後、UHCの達成を通じて高度経済成長の担い手である中間層の拡大に寄与したことを紹介しつつ、制度の財政的持続性の維持・向上のためには、継続的な改革が必要である旨を述べました。 またキム世界銀行総裁LINKは、どのような低所得レベルの国々であってもUHCの実現を目指すことは可能であり、それは、貧困を撲滅し、繁栄の共有を促進していくうえで重要な意味を持つと述べました。さらに、武見参議院議員は、UHCをいかに達成し維持するか日本の成果と教訓を発表しました。

 研究対象のバングラデシュ、ブラジル、エチオピア、フランス、ガーナ、インドネシア、日本、ペルー、タイ、トルコ及びベトナムの11か国の研究成果を踏まえ、UHCの政策の立案・実行にあたり有効となる提言が「主要政策メッセージ(英文(PDF)PDF和文(PDF)PDF)としてまとめられました。ここには、(1)強い政治的リーダーシップ、(2)公平性の確保、(3)保健医療費の財源の確保、支出管理、(4)保健人材の強化、(5)プライマリ・ケア、公衆衛生への重点投資、の5点の重要性が指摘されています。
 
 会議終了後のレセプションでは、木原外務大臣政務官が会議出席者への感謝を述べると共に、引続き日本がユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進に貢献していく旨述べました。

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