外交政策

国連気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)京都議定書第9回締約国会合(CMP9)等の概要と評価

平成25年11月23日

英語版 (English)

1 全体の概要と評価

(1)11月11日から23日まで、ポーランド・ワルシャワにおいて、国連気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)、京都議定書第9回締約国会合(CMP9)等が行われた。我が国からは、石原環境大臣及び外務・経済産業・環境・財務・文部科学・農林水産・国土交通各省関係者が出席した。 

(2)「強化された行動のためのダーバン・プラットフォーム特別作業部会(ADP)」及び2つの補助機関会合における事務レベルの交渉を経て、11月19日以降のハイレベル・セグメントにおいて閣僚間でさらに協議を重ねた結果、最終的に以下の一連の決定を含むCOP及びCMPの決定等が採択された。
  1. ADPの作業計画を含むCOP決定
  2. 気候資金に関する一連のCOP決定
  3. 気候変動の悪影響に関する損失と被害(ロス&ダメージ)に関するCOP決定
(3)2020年以降の枠組みについて、締約国会議(COP)は、すべての国に対し、自主的に決定する約束草案(intended nationally determined contributions)のための国内準備を開始しCOP21に十分先立ち約束草案を示すことを招請するとともに、ADPに対し、約束草案を示す際に提供する情報をCOP20で特定することを求めることを決定するなど、議論の前進につながる成果が得られ、COP21におけるすべての国が参加する将来枠組みの合意に向けた準備を整えるという我が国の目標を達成することができた。

2 日本政府の対応

(1)日本政府は、COP17のダーバン決定で決まった、2020年以降の新たな法的枠組みに関する2015年までの合意に向け、将来枠組みに含まれる要素の検討の作業と2015年までの作業計画の明確化を進めることを目指し、交渉に対応した。

(2)ハイレベル・セグメントでの石原環境大臣による演説等において、京都議定書第一約束期間の削減実績は8.2%が見込まれ、6%削減目標を達成すること、2020年の削減目標を2005年比3.8%減とすることを説明するとともに、安倍総理が掲げた美しい星に向けた行動「Actions for Cool Earth: ACE(エース)」に取り組むことを表明した。具体的には、さらなる技術革新、日本の低炭素技術の世界への応用、途上国に対する2013年から2015年までの3年間に1兆6千億円(約160億ドル)の支援を表明した。また、ADP閣僚対話に出席し、将来枠組みに関する我が国の考え方につき発言を行い、交渉の進展に貢献した。

(3)石原環境大臣は、会合期間中に各国と二国間会談を行い、日本の目標等に関して説明し理解を求めると共に、会合の成功に向けた連携を確認した。 また、二国間クレジット制度(JCM)に署名した8カ国が一堂に会する「JCM署名国会合」を開催し、JCMのプロジェクト形成を精力的に推進していくことを確認するとともに、経団連や日本政府主催のサイドイベントに出席し、日本の気候変動への取組をアピールした。

3 今次会合の成果

(1) ADPに関しては、ワークストリーム1(2020年枠組み)では、2020年以降の枠組みについて、締約国会議(COP)は、すべての国に対し、自主的に決定する約束草案のための国内準備を開始又は強化してCOP21に十分先立ち(準備ができる国は2015年第1四半期までに)、約束草案を示すことを招請するとともに、ADPに対し、約束草案を示す際に提供する情報をCOP20で特定することを求めることを決定する等今後の段取りが決定した。ワークストリーム2(2020年以前の緩和の野心向上)では、高い排出削減可能性のある行動の機会に関する技術専門家会合の開催や、都市・地方の経験・ベストプラクティスの共有に関するフォーラムの開催等が決定された。来年は、3月10-14日に会合を開催すること、来年後半の追加会合の可能性を検討すること、6月及び12月(COP20)の会合においてハイレベル閣僚対話を開催すること等のスケジュールが決定した。また、先進国は条約の下での目標(京都議定書第二約束期間の目標を持つ国は右目標)の再検討を行うことが要請された。

(2) 資金については、COP18以降に先進国が行った資金プレッジの認知、2014年から2020年までの間の隔年の気候資金に関するハイレベル閣僚級対話の開催、気候資金拡大のための戦略・アプローチ等に関する会期中ワークショップの開催、COPと緑の気候基金(GCF)の間のアレンジメントへの合意等の決定が採択された。途上国は、2020年1,000億ドルに向けた中期目標の設定や、GCFへの拠出時期・金額について具体的数字を書き込むことを主張したが、最終的にはこれらの記述は決定に盛り込まれなかった。なお、先進国全体に対して短期資金期間(2010年から2012年)より高いレベルで公的気候資金の連続性を維持するよう求めた。また、先進国に対して、2014年から2020年までの間に気候資金を拡大するための更新した戦略・アプローチについて隔年のサブミッションを用意するよう求めた。

(3) 気候変動の悪影響に関する損失・被害(ロス&ダメージ)については、COP22で見直すことを条件とし、カンクン適応枠組みの下に「ワルシャワ国際メカニズム」を設立することに合意した。具体的には、条約下の既存組織の代表により構成される同メカニズムの執行委員会の設立(暫定措置)、同メカニズムの機能(データやベストプラクティス等の知見の共有、国連を含む条約内外の関係機関との連携、資金・技術・能力構築含む活動と支援の強化)、機能の実施のための2カ年作業計画の策定や執行委員会の構成や手続きの検討(2014年12月に検討)、COP22での同メカニズムについて見直し等を決定した。

(4) 途上国における森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+)について、技術ガイダンス、資金、組織を含む支援の調整に関する枠組みを決定した。

(5) 今回は日本政府として初めてイベントスペースを設置し、国、各種機関・組織、研究者等の取組の紹介や議論を行うイベントが多数開催され、盛況だった。

(6) なお、次回のCOP20はペルーが議長国を務め、リマで開催されることとなった。また、COP21はフランスが議長国を務めることが決まるとともに、セネガルがCOP22の議長国を務める意志があることを表明した。 

このページのトップへ戻る
外交政策へ戻る