国連外交
紛争下の性的暴力防止イニシアティブに関するサイドイベント 岸田外務大臣ステートメント
平成25年9月24日
ヘーグ外相,バングーラ紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表並びにお集まりの皆さま
紛争下の性的暴力は看過されるべきではありません。その防止に向けたヘーグ外相のイニシアティブを,日本として強く支持し,後押ししていきます。また,性的暴力防止に向けたバングーラ紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表の活発な活動を評価します。
特に,本年に入ってから,G8外相会合,国連安保理,国連総会等,様々な場において,紛争下の性的暴力防止に関する議論がなされ,その重要性が国際社会に一層広く共有されてきていることを歓迎します。
世界各地の紛争では,未だに多くの女性が性的暴力の犠牲になっています。こうした犠牲を一刻も早くなくす上で,このイニシアティブ,特に,犯罪を防止する観点から「不処罰」の文化を終わらせ,また被害を受けた人々を支援していくことが重要です。
そうした考えに基づき,日本は,この分野での支援を行ってきています。UN Womenを通じ,アフガニスタンにおける女性に対する暴力撤廃のプロジェクトを行ってきています。この結果,約2000人の女性がシェルターサービスを受け,736人が医療・精神的支援を受け,さらに941人が法的なアドバイスを受けました。また,実際に68のケースが訴訟手続に付されることになりました。このように,アフガニスタンにおいて,一定の成果があがっていることを喜んでいます。
2000年に採択された国連安保理決議第1325号に基づく女性・平和・安全保障に関する我が国の「行動計画」についても策定を鋭意進めています。そこでは,紛争予防,性的暴力を受けた被害女性の保護,平和構築・復興プロセスといった場面における女性の参画を推進するため,日本としてとるべき措置について,市民社会とも連携して盛り込んでいく予定です。
ヘーグ外相及びバングーラ事務総長特別代表が立ち上げた「チャンピオンズ・ネットワーク」において合意された地域横断的なハイレベル宣言が,このサイドイベントで公表されました。イギリスのイニシアティブがG8の取組となり,今またG8を超え,数多くの国々に支持されたことを嬉しく思います。この宣言で言及されている「国際的なプロトコール」の作成は,4月のG8外相会合における閣僚宣言でもその目的が支持されています。英国のイニシアティブの下,「国際的なプロトコール」の2014年内の策定を目指し,作業が進捗していることを日本としても歓迎します。
私は,同僚のヘーグ外相のリーダーシップに改めて感謝と敬意を表します。そして,本日ご参集のチャンピオンズの皆様と共に,紛争下における性的暴力の撤廃に一層取り組んでまいります。