貿易と開発
国連後発開発途上国・内陸開発途上国・小島嶼開発途上国担当上級代表事務所(OHRLLS)
Office of the High Representative for the Least Developed Countries, Landlocked Developing Countries and Small Island Developing States
概要
1 設立の経緯
2001年5月に開催された第3回国連後発開発途上国(LDC)会議において、それまでのLDC会議のフォローアップ状況に不満を持つLDCが、フォローアップの所管を国連貿易開発会議(UNCTAD)から国連内に移すことを主張。これを受け、同年10月の国連総会第2委員会において、ニューヨークにLDC・内陸開発途上国(LLDC)・小島嶼開発途上国(SIDS)のための上級代表事務所の設置を内容とする事務総長報告(A/56/645)が提出され、第56回国連総会において同事務所設置の決議案が採択された(A/RES/56/227)。
2 主要な機能
LDC、LLDC及びSIDSのための行動計画(下記4参照)のフォローアップの実施に際する調整、監視、レビュー、アドヴォカシー、経済社会理事会への報告。
3 上級代表(USG:国連事務次長)
ラバブ・ファティマ(Ms. Rabab Fatima)
国連事務総長の任命により2022年8月就任。バングラデシュ出身。
4 行動計画
(1)LDC
2011年のトルコ・イスタンブールにおける第4回国連LDC会議(LDC IV)で採択された「2011~2020年のLDCのための行動計画(イスタンブール行動計画)」(持続可能な経済成長や脆弱性の克服等の5つ目標を設定)の終了に合わせ、2022年3月にカタール・ドーハで第5回国連LDC会議の開催が予定されていたが、新型コロナウイルスの影響により同会議は延期され、同年3月にニューヨークにおいて「2022~2031年のLDCのための行動計画(ドーハ行動計画)」が採択された。同会議は2023年3月に開催され、「ドーハ行動計画」の着実な実施を定めた「ドーハ政治宣言」が採択された。
(2)LLDC
2003年、カザフスタン・アマルティにおいて国連LLDC会議が開催され、「アマルティ行動計画」が採択。2014年、オーストリア・ウィーンにおいて第2回会議が開催され、貧困の根絶のための6つの優先分野の事業実施を内容とする「ウィーン行動計画(Vienna Programme of Action for Landlocked Developing Countries for Decade 2014-2024)」を採択。2019年12月には、ニューヨークにおいて同行動計画の中間レビュー会合が開催された。
(3)SIDS
2014年の第3回小島嶼開発途上国(於:サモア)において、「SIDS Accelerated Modalities of Action (S.A.M.O.A.), Pathway」が採択。2019年9月、ニューヨークにおいて、SAMOA Pathway中間レビューハイレベル会合が開催され、政治宣言が採択された。