ODAとは? ODA予算・実績

国別援助実績
1991年~1998年の実績
[13]ミクロネシア


1.概 説

 (1) ミクロネシアは、1947年以来、マーシャル、パラオ、北マリアナとともに、米国を施政権者とする国連の太平洋諸島信託統治地域の一部を構成していたが、85年に米国との自由連合国家に移行した。
 (2) ミクロネシアは4州で構成され、言語、習慣等を異にしていることもあり、紳士協定により大統領は再選の場合を除いて、輪番制によることとしているなど、各州の利益のバランスを保つことが必要となっている。自由連合盟約の下で防衛、安全保障についてのみ米国が権限と責任を有している。91年には国連に加盟した。96年7月、オルター大統領が脳卒中で倒れ、97年5月ネナ副大統領が正式に大統領に就任した。
 (3) 経済面では、ミクロネシアは農業(コプラ)と漁業を除き見るべき産業は存在していないため、自由連合盟約下で米国からの資金援助に依存している。この援助が継続する自由連合盟約期間(86年から15年間)の間に経済的自立を達成することを最大の目標に置いている。
 (4) 我が国との関係では、古くは1914年以来1945年まで我が国が南洋群島の一部として統治していた経緯があり、この歴史的関係に加え、漁業関係でのつながりも深く、国造り、経済開発における我が国経済協力への期待は大きい。
 95年11月にはオルター大統領が訪日し、97年10月には日・SPF首脳会議にネナ大統領が、97年12月の気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)及び98年1月の対ミクロネシア支援国会合にファルカム副大統領が各々出席するため訪日している。98年8月には、長谷川前駐豪大使を団長とする政策対話ミッションをミクロネシアに派遣し、二国間関係の強化に努めた。99年1月には、ネナ大統領がSPF議長として訪日している。

 (参考1)主要経済指標等
90年 95年 96年 97年
人口(千人) 103 107 109 111
名目GNP 総額(百万ドル) 99(1989年) 215 225 213
一人当たり(ドル) 980(1989年) 2,010 2,070 1,920
経常収支(百万ドル)
財政収支(百万ドル)
消費者物価指数
DSR(%)
対外債務残高(百万ドル)
為替レート(―――――
分類(DAC/国連) 低中所得国/-
面積(千㎞2

 (参考2)主要社会開発指標
90年 最新年 90年 最新年
出生時の平均余命
(年)
66(97年) 乳児死亡率
(1000人当たり人数)
所得が1ドル/日以下
の人口割合(%)
5歳未満児死亡率
(1000人当たり人数)
下位20%の所得又は
消費割合(%)
妊産婦死亡率
(10万人当たり人数)
成人非識字率(%) 19x(95年) 避妊法普及率
(15-49歳女性/%)
初等教育純就学率
(%)
安全な水を享受しうる人口割合(%)
女子生徒比率(%) 初等教育 森林面積(1000km2)
中等教育

 


2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

 ミクロネシアは従来より親日的であることに加え、米国との自由連合盟約関係終了を2001年に控え、経済的自立の達成に向けて、我が国への期待が高まっている。また、我が国との間に民間漁業協定を締結しており、我が国水産業界とも密接な関係がある。
 無償資金協力では、98年度に、「オカト港湾整備計画」「コスラエ州零細漁業支援施設改善計画」を実施し、老朽化した港湾施設や漁業支援施設の整備を行った。また、研修員受入れ等の技術協力を行ってきている。
 ミクロネシアがADBの助言に基づき構造調整を行っていることから、我が国としてもADB等国際機関や主要援助国と調整を図りつつ支援を行うことが効果的である。98年1月には、ADB主催の支援国会合を東京で開催している。
 また、95年11月には、政策協議調査団を派遣し、個別プロジェクトに関する協議を行うとともに、援助重点分野、今後の援助の方向性等について意見交換を行った。


3.政府開発援助実績

 (1)我が国のODA実績

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 贈   与 政府貸付 合 計
無償資金協力 技術協力 支出総額 支出純額
94
95
96
97
98
10.72(63)
12.14(67)
4.33(50)
6.47(-)
4.80(-)
6.38(37)
6.07(33)
4.34(50)
6.31(-)
3.34(-)
17.10(100)
18.21(100)
8.67(100)
12.78(-)
8.14(-)




-(-)
-(-)
-(-)
0.02(-)
-0.04(-)
17.08(100)
18.21(100)
8.67(100)
12.76(100)
8.10(100)
累計 65.27(60) 43.54(40) 108.82(100) 0.13 0.05(0) 108.85(100)

 (注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。

 

 (2)DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 うち日本 合 計
95
96
97
米国
米国
米国

52.0
102.0
70.0

日本
日本
日本

18.2
8.7
12.8

豪州
豪州
豪州

1.4
21.0
0.8

ニュージーランド 0.2
ニュージーランド 0.1
ニュージーランド 0.2


オランダ
オランダ


0.1
0.1

18.2
8.7
12.8
71.8
111.9
83.8
国際機関、ODANET

(支出純額、単位:百万ドル)

暦年 1位 2位 3位 4位 5位 その他 合 計

95
96
97

ADB
UNDP
ADB

3.6
0.7
11.3

UNDP
UNFPA
UNTA

1.2
0.2
0.3

UNTA
ADB
UNFPA

0.5
0.1
0.2

UNFPA
UNTA
UNDP

0.2
0.1
0.2



0.2
0.1
0.3
5.6
1.1
12.2

 

 (3)年度別・形態別実績

(単位:億円)

年度 有償資金協力 無償資金協力 技術協力
90年度
までの
累計
なし 51.00億円

(内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/b_v/odawp/
index.htm))

10.14億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協

74人
43人
112人
24人
116.7百万円
1件

91 なし 7.49億円

ヤップ港拡張計画(2/2期(6.70)
漁業訓練改善計画(0.79)

2.35億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与

9人
1人
5人
15人
9.3百万円

92 なし 11.30億円

電力供給改善計画(97)(10.30)
零細漁業振興計画(97)(1.00)

2.77億円
研修員受入
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与

10人
15人
11人
6.1百万円

93 なし 11.93億円

ウエノ港拡張計画(1/2期(97)(10.54)
第二次小規模延縄漁業開発計画(1.39)

2.89億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与

9人
3人
16人
14人
30.1百万円

94

なし

11.06億円

ウエノ港拡張計画(2/2期(9.90)
チューク州零細漁業振興計画(97)(1.16)

2.63億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与

13人
2人
10人
17人
12.5百万円

95 なし 2.17億円

ヤップ州小規模漁業振興計画(2.16)
草の根無償(1件(0.01)

2.52億円
研修員受入
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与

18人
1人
10人
7.5百万円

96 なし   0.82億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣

8人
2人
13人

97 なし 0.10億円

草の根無償(3件(0.10)

4.87億円
研修員受入
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与

23人
29人
7人
15.8百万円

98 なし 5.30億円

オカト港港湾整備計画(2.90)
コスラエ州零細漁業支援施設改善計画(2.30)
草の根無償(3件(0.10)

2.90億円1.42億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与

15人
3人
17人
23人
13.0百万円

98年度
までの
累計

なし

113.03億円

33.80億円
研修員受入
専門家派遣
調査団派遣
協力隊派遣
機材供与
プロジェクト技協

192人
52人
216人
134人
220.5百万円
1件

 

(参考1)98年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件
案   件   名 協力期間
漁業開発

78.1~81.3

 

(参考2)98年度実施草の根無償資金協力案件
案   件   名
職業訓練設備整備計画
ミクロネシア短期大学ポンペイキャンバス体育館建替え計画
ポンペイ州農業用森林再生計画

 



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