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3.2.6 環境

(1)日本の援助実績

 これまでの日本の対越援助実績において、環境分野の援助はあまり多くない。援助額では、環境分野における有償資金協力の総額が1991年度~2000年度の実績で325.42億円、無償資金協力の総額が1991年度~1999年度の実績で、60.95億円となっている。有償資金協力については、日本の対越援助全体の約5%、無償資金協力については、日本の対越援助全体の約12%を占めるにすぎない。

 この分野での援助実績は、自然環境保全、居住環境改善(上下水道)、公害防止の3つに分類することができる。自然環境保全には、植林事業や森林経営計画策定、生態系保護等が含まれる。植林事業と森林経営計画策定における日本の主な援助実績としては、無償資金協力による「中部高原植林機材整備計画」(1992年度実施)、「北西部植林機材整備計画」(1995~1996年度実施)等の援助と、技術協力による「中部高原地域森林管理計画調査」(開発調査、1999~2000年度実施)等を行ってきたにとどまっている。また、生態系保護に関する主要案件としては、「ハロン湾環境管理計画調査」(開発調査、1997~1999年度実施)が挙げられる。

 居住環境改善における日本の主な援助実績としては、これまでハノイ市やホーチミン市をはじめ、ハイフォン市、ハイズォン市、南部地方等の上水道あるいは下水道・排水システム整備に対する援助を有償資金協力・無償資金協力・技術協力などを通じて行ってきた。上下水道・排水システム整備に対する援助については、「ハノイ水環境改善計画」(有償資金協力、1995、1997年度供与)や「ホーチミン市水環境改善計画」(有償資金協力、2000年度供与)、「南部地域(ドンナイ/バリア・ブンダウ省)上水道整備計画」(有償資金協力、1997年度供与)、「ハノイ市ザーラム地区上水道整備計画」(無償資金協力、1993~1995年度供与)や「ハイズォン市上水道拡充計画」(無償資金協力、1999年度以降実施)等の援助を行ってきている。また、技術協力の主な実績としては、「ハノイ市上水道整備計画調査」(開発調査、1995~1997年度実施)や「ハノイ市排水・下水システム整備計画」(開発調査、1995年度実施)、「ホーチミン市排水・下水道整備計画調査」(開発調査、1998~1999年度実施)、「ハノイ市環境保全計画調査」(開発調査、2000年度実施)、「ハイフォン市都市環境整備計画調査」(開発調査、2000年度実施)などの案件が実施された。

 公害防止には、大気・海洋汚染防止や産業廃棄物処理等が含まれるが、この分野に関して有償・無償資金協力の実績はこれまでにない。主要な案件としては、産業公害対策を促進するためのフレームワークと戦略を作成するための開発調査「ベトナム産業公害対策マスタープラン(産業廃水)」(2000年度実施)がある。

表 1991年度以降の日本の対越援助実績(環境分野)(PDF)

図 我が国の対ベトナム主要援助プロジェクト(環境)




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