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(3)保健医療分野に対する日本の貢献度合と目的の達成度合の評価

 ホーチミン市最大の中核病院であるチョーライ病院及びハノイ最大のバックマイ病院は、南北ベトナムでの保健医療を支える2大拠点病院として機能している。リファーラル病院(上位紹介病院。地方レベルの病院で手に負えない時に紹介される上位の病院)としてのみならず地域との連携も目指しており、従来批判の多かった「箱もの」援助とは異なり、住民にとって大きな裨益効果をもたらしている。

 なお、チョーライ病院では、日本から供与された機材を使用したCTスキャンの実施による料金収入により、さらに2台のCTスキャン及びMRIを購入して使用しており、自助努力で病院の設備・改善を図っている。バックマイ病院ではプロジェクトの中に地域との連携を明確に打ち出しており今後の発展が期待される。

 また、両病院とも長期・短期の専門家が派遣されておりプロ技と無償が有機的に働いていると思われる。ただし、裨益効果が貧困層まで及んでいるのかは今回の調査では不明であった。今後の調査課題であろう。

 「ハノイ市医療器材整備計画」及びバイバーチュン病院医療機材整備計画」は、視察した箇所では機材が供与されてから既に8-10年経過しているにも関わらず、維持管理が良く行き届いていた。しかし、既に老朽化しているものもあった。また、患者数の増加に現有機器数では対応仕切れない状況が見られた。


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