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(2)ベトナム側が目指した目的と日本側が目指した目的

1)ベトナム側が目指した目的

 第5次5カ年計画(1991 - 1995)では、保健・医療分野の開発目標について、以下のとおり記載している。疾病の伝播防止だけではなく、疾病の発生や侵入を防止する方策の確立、包括的医療システムの確立、(3)住民参加による健康増進、(4)保健医療予算の財源の有効活用、(5)保健政策組織の改編、(6)伝統医学と西洋医学の協調、(7)医者の倫理の向上。そして、第6次5カ年計画(1996 - 2000)でもほぼ同様の記載がなされている。

 第7次5カ年計画(2001 - 2005)では、(1) 予防保健活動を開発して導入することにより、人々の健康と平均余命を改善する。(2) グラスルーツ・レベルの保健ネットワークを計画、整備、更新する。(3) HIV/AIDSの広がりを着実に抑える。(4) 出産率を年間0.5%以下に抑える。(5)栄養失調及び貧困撲滅プログラムを効果的かつ継続的に実施する、という5点を開発目標として掲げている。

2)日本側が目指した目的

 日本側では、従来の国別援助方針(94年度、95年度に記載あり)で、次のように記載している。「医療設備は改善の余地が極めて大きい」として、「医療サービス向上のための施設・設備の整備」を行なうとともに、今後「人口・エイズ分野を重視」するとの方針を示していた。

 さらに対ベトナム国別援助計画では、次のように記載している。「保健・医療分野は、急速な経済成長の陰で対応が遅れており、弱者保護、貧困対策の観点から、その充実が重要である」また、「ベトナムは、平均余命が比較的長く、また乳児死亡率は比較的低い。しかしながら、マラリア、結核等の感染症は全国に蔓延しており、5歳以下の子供の栄養失調率も高い」と現状を分析したうえで、「高度医療設備の整備については、当面はハノイの中核病院の機能強化が重要である」さらに、「ポリオ根絶、リプロダクティブヘルス・家族計画、エイズ対策等の地球的規模の視点に立った協力の拡充も必要である」との援助の具体的な方針を示している。


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