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(2)ベトナム側が目指した目的と日本側が目指した目的

1)ベトナム側が目指した目的

 第5次5カ年計画(1991-1995)では、教育分野の開発について、卒業資格や学位の改善による教育システムの向上、高等教育機関の再編、(3)識字化の徹底と初等教育の完全普及、(4)中等教育における一般教育と職業教育の緊密な連携と、教育プログラムの多様化、(5)職業教育の拡充、(6)高等教育の妥当な規模での拡充、を目標として掲げていた。

 そして、第6次5カ年計画(1996 - 2000)では、国民の社会経済へ参加できる知的レベルおよび国家開発のペースから取り残されないための能力の向上、研修の実施による工業化・近代化の要求を満たす人材資源の質的向上、(3)中等教育修了者および研修修了者などの労働可能人口の増加、を目標としていた。

 第7次5カ年計画(2001 - 2005)では、「教育開発は国家の優先分野のひとつであり、教育分野に関して基礎的かつ総合的な進展を実現する。」と大目標を定めた上で、(1)全国的な初等教育の実施と識字率の改善(とくに山岳地帯と遠隔地において)、(2)既存の大学と同水準の大学の新設と強化、(3)ハイテク産業を狙った質の高い労働力の供給を目指した教育内容・教育手法の改善、(4) 全国的な職業訓練校の早急な展開、(5) 新しい技術を身に付けられる生涯教育を提供できるような各教育機関の運営の仕方と組織の抜本的な見直し、(6) 教育セクターにおけるネガティブな現象を排除及びその現象への対応、(7)教育の拡充のために適切な予算比率の確保、7点を具体的な開発目的として掲げている。

2)日本側が目指した目的

 従来の国別援助方針(94年度、95年度に記載あり)において、「高い進学率や識字率が社会指標に表れているが、教育環境は改善の余地が極めて大きい」として、「初等・高等教育機関の施設・設備の整備等を図る」ことを方針として掲げていた。

 さらに、従来の国別援助方針を踏まえて2000年度に作成された対ベトナム国別援助計画では、「識字率は高いものの、100%近い小学校の就学率も中等・高等学校では激減するなど、教育全体としての就学達成度は低い。中途退学者も増加傾向にあり、特に女子と少数民族においては顕著である。また学校教育の質・内容が、市場経済化による経済発展に伴い、生じつつある新しいニーズに対応できていない点も課題とされており、初等及び中高等教育における施設整備に加えて、教育の質の向上も重要である」との方針を示している。


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