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2.3.3 ベトナム政府の財政構造と日本の援助の貢献度合

  1999年のベトナム政府の財政支出は6,376百万ドル3だった一方、財政収入4は5,458百万ドル5で、財政赤字は918百万ドルであった。これに国内借入れの返済分108百万米ドルを足した合計の財政赤字は1,025百万ドルであった。これに対し、同年の日本の援助額(実績)は660百万ドルであったので、日本の援助によって財政赤字の64.4%がカバーされたことになる6。なお、日本の援助が総財政支出に占める割合も10.4%に達したが、その多くはインフラ整備プロジェクトをファイナンスするために使用された。つまり、道路、港湾、鉄道、発電所などの経済インフラ、および学校、病院、上下水道などの社会インフラを中心とした旺盛な資金需要をベトナム政府が満たすために、日本の援助は不可欠であったと評価することができる。

ベトナム政府の財政収支(1999年度)


3 88.9billion Dongに対ドル為替レートUS$1=13,943Dongを乗じた値。

4 無償資金協力172百万ドルを除いた値。

5 総財政収入78.5billion Dongから無償資金協力2.4billion Dongを引いて対ドル為替レートUS$1=13,943Dongを乗じた値。

6 ただし、DACの統計では、同年の総援助額を1,421百万ドル(無償460百万ドル、ローン961百万ドル)と公表しており、ベトナム政府の発表とかい離がある。これは、使用した為替レートの違いのほか、特に無償資金協力においてベトナム政府の財政を通さない案件(オフ・バジェット案件)の存在が影響していると見られる。なお、DAC公表の金額を適用すると、財政赤字は1,421百万ドル(政府公表の財政赤字1,025百万ドルに、DAC公表分で追加的に積算されている396百万ドルを足した値)となり、日本の援助による財政赤字のカバー率は46.5%、日本の援助が総財政支出に占める割合は9.7%と計算される。




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