(10) 配属先や地域へのインパクト(帰国隊員対象)
図2-32は帰国隊員に対し、「Q.あなたの活動によって、配属先や地域にインパクトを与えたと思うか」と問いを配属先の位置付け別に示したものである。“カウンターパートの仕事に対する姿勢が改善された”“住民の意識・知識・行動等が改善された”“他の地域でも同様の活動を行うようになった”など、隊員の知識・技術・行動の移転に起因したインパクトは、配属先の位置付け別に比較した場合、指導型と共同活動型にその割合が多く、マンパワー提供型の割合は非常に少なかった。
しかしながら、“日本や日本人に対する理解が深まった”という項目については、指導型、共同活動型、マンパワー提供型ともにインパクトとして一番多くあげられていたが、中でもマンパワー提供型の割合が76%と一番高かった。これは、指導型や共同活動型に比べて、マンパワー提供型はカウンターパートに恵まれる確率が少なく、自身の技術・知識を移転するというよりはむしろ、相手国に不足する人材・人員を補う形での活動が主となるため、指導型や共同活動型のようなインパクトを与えることは難しいと考えられる。しかしながらマンパワー提供型は、活動が単調にならないよう、日本や日本人を理解してもらうべく取り組みを活動の中で積極的に行っている姿勢はうかがえる。