広報・資料 報告書・資料


3-6. 業務総点検

(出典:青年海外協力隊20世紀の軌跡 1965年~2000年)

 協力隊事業創立30周年を契機に、協力隊事業のあり方について、より現状に即応したものとするため、従来の事業実施方法を見直し改善を図る目的で「協力隊事業の総点検」が提唱された。具体的には、

(1) ボランティア事業としての協力隊事業を再認識

(2) わが国青年のボランティア活動の支援者としてJICAの役割の再認識

を基本的認識(事業見直しの視点)として、協力隊事務局を挙げて事業の見直しに取り組んだ。

 総点検の作業部会報告書は1997年9月に完成し、(1)改善・変更を決定した事項、(2)検討中の事項、(3)今後の課題に整理された。
 また、「協力隊事業総点検」のフォローとして、事務局は2000年9月、アクションプランを短期、中長期に分けて作成することとなった。主な検討事項内容は以下のとおり。

(1) 短期的な課題
1) 調整員制度の見直しと強化
2) 募集・選考方法の改善
3) シニア隊員制度の見直し
4) 新規派遣国選定の基準作成
5) 技術的サポート体制の強化
6) シニア海外ボランティア募集・選考・研修等の見直し

(2) 中・長期的な課題
1) 派遣前訓練のあり方
2) 調整員制度の位置付け
3) 事業実施サイクルの検討
4) シニア海外ボランティア事業実施事務局体制
5) 協力隊とシニア海外ボランティア募集・選考・研修等の見直し
 また、協力隊事業については、これまで事業そのものについての見直しや実施体制、事務改善等について議論がなされてきた。その検討のあゆみは以下のとおり。

(1)  1970年4月  「回顧から発展へ」-日本青年海外協力隊再建のための提案-
(2)  1971年12月  「日本青年海外協力隊の理念とその具体化をめぐっての提言」
(3)  1980年6月  「青年海外協力隊の将来展望と業務に関する問題提起」
(4)  1982年10月  「青年海外協力隊事業の中期計画」-3年倍増計画-
(5)  1983年12月  「青年海外協力隊訓練基本構想(案)」
(6)  1987年  「青年海外協力隊事業中期展望作業まとめ要旨」
(7)  1989年6月  「青年海外協力隊の一層の発展のために」
(8)  1991年7月  「青年海外協力隊事業の中期的展望について」
-新規1500名派遣試案-
(9)  1993年9月  「中長期的展望に立った隊員の国別派遣計画」
-新規1500名派遣試案-
(10) 1995年5月  「隊員派遣“新5カ年計画”について」
(11) 1996年8月  「協力隊事業総点検作業委員会」を設置

 さらに、2001年に「21世紀のボランティア事業のあり方」検討委員会が設立され、2001年10月より3回の委員会が開催されJICAボランティア事業の対する積極的な議論が展開されている。この委員会の議事録および現地調査結果はJICAのホームページ上(http://www.jica.go.jp/activities/jocv/iinkai/index.html)で閲覧することができる。

このページのトップへ戻る
前のページへ戻る次のページへ進む目次へ戻る