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2-3 フィリピンの保健医療セクターにおける我が国の援助動向

我が国のフィリピン国別援助計画(2000年8月策定)では、重点4分野として(1)持続的成長のための経済体質の強化及び成長制約要因の克服、(2)格差の是正(貧困緩和と地域格差の是正)、(3)環境保全と防災、(4)人材育成及び制度造りを掲げている。その中で保健医療については、(2)の格差の是正(貧困緩和と地域格差の是正)との関連で、保健医療を始めとする基礎的サービス改善のための支援を行うと述べている。具体的には、(i)貧困地域(特にスラム地域)へのプライマリーヘルスケアを含む協力、(ii)人口対策、HIV/AIDS協力、母子保健対策への協力、(iii)上下水道整備、(iv)都市部における、貧困層のための住宅整備、電気、飲料水供給のための支援、基礎教育、職業訓練、保健医療サービスを受ける機械の増大、(v)ストリートチルドレン等児童福祉支援、などへの協力を対象としている。

具体的には我が国の保健セクターへの主な支援は次のものが行われてきた9。無償資金協力として、大学病院、総合病院、県立病院などの第三次医療施設10の建設(メトロマニラ、セブ、バギオ、ダバオ)を行ってきた。また、プロジェクト方式技術協力との連携にて、熱帯医学研究所(RITM)、医薬食品検査局(BFAD)、エイズ性感染症研究所(SACCL)、結核研究所(NTRL)の建設を行ってきた。更に無償資金協力により、国立ガンセンター、国立小児病院、国立心臓病センター等専門病院、および地域の中核となる病院に対し、資器材の供与を行ってきた。

2002年度は、ダバオメディカルセンター整備計画(19億6,4000万円:現在建設中)、および国立結核研究所設立計画(4億1,500万円)に対して無償資金協力を行った。また、技術協力としては、結核技術協力プロジェクト、フィリピン薬局方整備等のプロジェクトが行われている。


9 以下、在フィリピン日本大使館でのヒアリングによる情報。

10 ちなみに、第一次医療施設はヘルスセンターに対して、第二次医療施設は地域病院に対して用いられる。



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