7.3 我が国の進出企業の評価と要望
「二」国への日本企業進出は少なく、企業の多くは近隣国(グアテマラ国など)にその拠点をおき、「二」国への業務を行っている。この理由として以下の点をあげている。
1) | 商社として量的な業務が成り立つものは、日本からの車の輸入、「ニ」国産コーヒーの輸出などに限られている。 |
2) | カントリー・リスクが高く、投資ができない。 |
3) | インフラ整備が脆弱であり、民間投資を呼べる水準にない。 |
かかる状況から、道路・交通、通信、電力設備の発展が経済活性化には不可欠である。
我が国により実施された援助は総じて評価が高い。特に首都圏の水道は日本が一手に引き受けておりその裨益効果は大きく、マナグア市民の生活は改善された。
道路・交通については、橋梁建設の評判が高い。破滅的な被害を被ったハリケーン・ミッチ時にも、破損がほとんどなかった橋梁は我が国の技術力に対する評判を確固たるものとした。しかし、パンナム・ハイウエイ関連の整備が一段落したら我が国援助の必要性は薄くなろう。今後は幹線道路から遅れた地域への展開といったセクター戦略性が必要である。そのためには開発調査の実施が望まれる。
通信においては1997年に民営化が行われ、株式の40%が外国企業に売却されたため、ODAの対象とはなりがたい。一方、電力については、発電は民営化の動きがあるものの、まだ、公的組織が実施しているため援助対象とされる。ただ、配電は既に民営化されているため、非援助対象である。
また、我が国援助で地域住民から評価が高いものに、学校建設があげられる。学校援助は一般無償や草の根無償で支援されているが、この分野での今後の留意点は、施設建設だけでなく教師の育成、教材の整備などソフト面の強化である。