(1999年5月、ベルナール・ブレシュナド(BCEIP代表))
援助形態 | 草の根無償 |
協力年度 | 1995年度 |
協力金額 | 6,342,000円 |
相手国実施機関 | タマラ島(同島の住民組織) |
協力の内容 | 保健施設の一切ないタマラ島に、医師1名、看護婦2名が常勤する保健所を建設する。 |
1.案件の妥当性
タマラ島は、首都コナクリ沖合い25キロにあるロース諸島を構成する島のひとつである(人口約1,000人、人口の45%が15歳以下)。同島には島の反対側フォトバ県(9キロ先)に旧式の産院があるが、施設は老朽化し一次治療さえままならなかった。港が荒れる雨季にはピローグ(船外機付小船)によるコナクリへのアクセスは不可能となり、重病人が発生してもこれを放置するほか無く、タマラ島民にとって、重病人の発生、妊婦の出産時にコナクリまで如何に患者を暗然に搬送するかは長年の懸案事項であったが、この懸案が本件実施によって解消されたことから案件の選定は妥当であったと言える。
2.案件の効果
本保健所の完成により、コナクリ市より医師と看護婦2名の常勤を得、24時間体制で治療に当たることが可能になった。1日の外来数は平均約10件にのぼる。また、同保健所は、日本がUNICEFとマルチバイ無償のスキームで実施中のワクチン接種拡大計画におけるロース島嶼部拠点保健所の役割を果たしている。開業以来、ワクチンの個別接種400件、傷の手当て400件、抗生物質を服用しない治療900件、抗生物質の服用を伴う治療1,500件、注射4,000件、産科外科3,000件をそれぞれ処理してきており、また平均して1ヶ月に3件の出産があるなど、この規模の保健所では想像以上に高い裨益効果をもたらしており、草の根無償として優良案件であったと考えられる。
![]() タマラ保健全景 |
![]() 保健所のスタッフと診察に訪れていた患者 |