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ギニア共和国 イエンイエン村橋建設計画


(1999年3月、ベルナール・ブレシュナド(BCEIP代表))


〈プロジェクト概要〉

援助形態 草の根無償
協力年度 1990年度
協力金額 5,300,736円
相手国実施機関 ヂュブレカ県バディ郡イエンイエン村
協力の内容 イエンイエン村は、同村入り口付近を流れるバディ川(川幅10メートル)によって近隣町村との交通が遮断されていた。同村からの申請を受けて全長15メートルに及ぶ本件橋建設プロジェクトが実施され、交通の大きな障害が取り除かれた。


1.案件の妥当性

 イエンイエン村はバディ川により近隣町村との交通が遮断されていた。雨季は言うまでもなく、乾期でさえも一般車輌の通行は不可能であり、本件橋梁建設以前は、同村に至るための車輌にて一時間(25キロメートル)の迂回を余儀なくされていた。以前より同村住民は木々を寄せ集め徒歩にて通行可能な手作りの橋を用いていたが、物資の搬入や急病人の搬出に係る不便さは同村における重要課題として問題視されていた。なお、同村はバディ郡における主要穀倉地帯を占めており、収穫穀物は首都コナクリまで陸送される。

2.案件の裨益効果

 経済的視点:イエンイエン村地域開発コミュニティ代表ソリバ・シラ氏が語ったところでは、本件橋梁建設の結果、近隣7郡町との人的・物的交流が促進され、人・物の循環が加速された。同橋は10トントラックが通行可能で、日に数度物資が搬出入されている。住民にとっても近隣村の市場まで行くことのに大幅に時間が短縮され、アクセスが容易になった分、物質的豊かさを感じることができる。

 保健衛生上の視点:ハンモックによる妊産婦、病人の移送が常であったが、橋のおかげで車輌による速やかな移送が可能となった。特に妊産婦移送のケースで大きな効果をもたらしている。

 文化的視点:サッカーの試合等近隣町村とのスポーツ交流が盛んになった。

 社会的視点:小学校の無いイエンイエン村からバディ町小学校に通学する子供が増え、また退学率も低下し、就学率の上昇にもつながった。

3.その他

 橋梁完成引き渡しから3ヶ月後、住民の手で導入路の拡張工事が行われたが、その際、端の両端部分に一本ずつ亀裂が入ったが、村人による補強工事の結果、今日まで9年間にわたり亀裂は大きくなることなく、引き続いて使用されている。現在、住民集会では、材木による補強、金属板による補強等、数々の議論がなされているが、資金繰りの問題で実現には至っていない。

 アフリカの沿岸国ギニアには少なくともバディ川規模の河川が二つ存在し、それらの流域にはイエンイエン村と同様の問題を抱える村落が多数存在するので、本件の如き優良案件を今後積極的に取り扱っていく意義がある。


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