(現地コンサルタント、ステファネ・キントン、1999年2月)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1994年度(第1期)、95年度(第2期) |
相手国実施機関 | 厚生省 |
協力の内容 | 同国における不十分な医療設備の拡充を支援するために、医療・研究用機材(ベッドサイドモニター、搬送用保育器、人工呼吸器、X線装置等)を7つの医療機関に供与した。 |
1.効率性
臨床検査用機材、X線装置、超音波診断装置等は高い頻度で活用される等、効率的に活用されていると言える。しかし、操作に要求される技術レベルが高いため、十分に活用されていない機材(ベッドサイドモニター、搬送用保育器、人口呼吸器、麻酔器等)が一部にある。
2.目的達成度
ほとんどの機材は十分に活用されている。尚、一部の機材が十分に活用されていない理由としては、(1)厚生省の施設整備の遅れ(電源、水道工事等)、(2)操作能力の不足、(3)不十分な維持管理能力が挙げられる。
3.インパクト
臨床検査件数、X線検査件数、超音波診断件数、外科及び歯科治療件数に増加が見られた。
地域住民の病院に対する信頼性が増した。
4.妥当性
本件協力は、グアテマラ側のニーズを満たすものであり、本件計画の選定は適切であったと評価できる。但し、基本設計調査において想定されていなかった点として、(1)機材操作の専門家の配置と、医師、医療従事者への訓練の実施が必要となったこと、(2)厚生維持管理部は行政改革の中にあって、運営能力が十分でなかったこと、(3)有料診療制度の導入が憲法改正のため実施されなかったこと、(4)電圧の変動が想定以上に激しく機材に故障が生じたこと等があげられる。
5.自立発展性
1999年から各病院毎の機材維持管理費が認められるようになったことは維持管理体制改善の非常に重要な一歩である。現在のところ、組織的な維持管理、適切な技術者の養成を可能にする体制が十分に整っているとはいえず、グアテマラ側が右体制を整えることが不可欠である。
6.今後必要とされるフォローアップ
グアテマラ厚生省は、機材利用及び維持管理に関する報告書を作成する等維持管理体制改善に努力すべきである。
また、必要な時期にプロジェクトの実施状況を再評価するべきである。
7.他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
供与機材の維持管理報告書の提出を義務づける等維持管理体制の強化に資する対策を講じることが適当である。
![]() ソロラ国立病院の外観 |
![]() 供与された医療器材 |