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ボリヴィア サンタクルス市都市清掃機材整備計画


(1999年12月、ベルナルド・ジルバ 地域開発国家基金(FNDR)副総裁)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 無償資金協力
協力年度 1992年度
相手国実施機関 地域開発国家基金(FNDR)
協力の内容 ボリヴィア政府が作成した「主要都市固形廃棄物処理改善計画」に基づき、必要な機材(ゴミ収集車等)を配備したもの。清掃事業のさらなる効率化、都市衛生環境改善を目指し、市民の生活改善に資するものである。


〈評価要旨〉

1.効率性

 本計画実施前及び実施後の清掃システムの改善については、投入された機材により清掃範囲の広がり、受益者数の増加などの成果が見られる。ただし一部の機材については必ずしも十分に活用されているとはいえない。

2.目的達成度

 本件機材の供与により市の清掃サービスの質が向上したことに加え、清掃サービスカバー地域が計画実施以前に比べ11%向上し、右サービスの広がりにより受益者数が大幅に増加し(総人口の約49%~約65%へ)、廃棄物収集量等において改善が見られる等、清掃事業の効率化、都市衛生環境の改善に役立った。

3.インパクト

 本計画による清掃サービス事業拡大により同市では職員数が増加し、市内の失業率減少、安定した職場の提供に貢献した結果となった。

 また、最終処分場の存在により市内の不法投棄など無計画な廃棄物投棄がなくなったことで汚染源を減少することが可能となった。

4.妥当性

 本計画実施以前、サンタクルス市の急速な人口増加はゴミ問題の深刻化を招き、当時の一日あたりに収集可能なゴミの数量は全体数量の約45%であり、これらのほとんどは市内に放置されていたため衛生状況を悪化させていた。こうした中で、機材供与後は、市内の衛生状況に大きな改善が図られる等、案件の選定・実施は妥当であった。

5.自立発展性

 本計画の実施機関である地域開発国家基金(FNDR)は現在においても本計画で供与された機材の維持管理状況の報告をサンタクルス市に義務づけており、また、雇用しているコンサルタントに定期的に同機材の使用状況評価を実施させている。

 機材の活用率は全体の約25%が問題がなく使用され、約34%が多少問題あり、約41%が不十分な活用状況である。部品が不足する機材があり、FNDRの指導に沿った機材の維持管理費の予算確保、委託会社に対する市の監督責任の強化等において改善が必要である。

6.環境への影響、WIDへの配慮

 本計画により実施された清掃事業により、市内及び廃棄物埋め立て所の衛生状況が改善している。

7.今後必要とされるフォローアップ

 今後ともサンタクルス市及びFNDRからの定期的な報告の提出が必要である。

(本件評価結果を踏まえ、FNDRは引き続き供与機材を有効活用すべく、維持管理の予算の確保、機材の活用率の向上に努めている。また、FNDRによるフォローアップ状況についての定期的な報告も行われている。)

8.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 日頃より供与機材の維持管理状況を監視すると同時に、案件開始時に対象自治体、国の実施機関へ十分な申し入れを行い、人員、予算措置の先方負担について明確にさせておくことが重要である。


(写真)夜間のゴミ収集風景
夜間のゴミ収集風景
(写真)ゴミ収集中継地における作業
ゴミ収集中継地における作業


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