(1999年4月 ロサ・Ng・デ・エベルレ 大統領府技術次官室・国際協力担当)
援助形態 | プロ技(チーム派遣協力) |
協力年度 | 1993年~97年 |
相手国実施機関 | サン・クリストバル市国立農務省開発センター(CESDA) |
協力の内容 | 小規模農家のための熱帯果樹の生産技術の向上を支援すべく、熱帯果樹の収集・評価・選定等について、専門家派遣、日本における研修、機材供与等を通じた支援を行う。 |
1.効率性
プロジェクトの熱帯果樹生産開発に資する技術・実施時期は適切でドミニカ人専門家に適したレベルであった。また、目標達成のために投入された資機材の内容も適切であった。
2.目的達成度
本件援助の当初の目的は達成されている。CESDAの専門家に移転された技術は、果樹の種の選定と普及のために当初の計画どおり活用されている。
3.インパクト
本件プロジェクトは、国内の果樹生産の質的・量的改善、特に輸出産業に貢献した。
4.妥当性
本事業は、当該国開発政策に合致したもので、特に、小規模農家の生活改善と社会経済の改善は優先課題である。
事前調査では、プロジェクト規模、実施時期及び場所の選定等の項目がよく調査されていた。
移転された技術や明確にされた点は適性なレベルであり、CESDAは引き続き技術を適用しており、機材も共用されている。
5.自立発展性
果樹プログラムの活動は日本人専門家による協力後も継続されている。プロジェクトでトレーニングを受けたドミニカ人専門家はプログラムを引き継いで実施してきており、アボガド、ニスペロ、カシュナッツ類、バンレイシ、サクラ、ガナバナ、柑橘類等の調査研究を実施している。なお、プロジェクトの運営資金及び人的資源は農務省の予算において確保されている。
6.今後必要なフォローアップ
CESDAの資金では、現在、全国レベルで、優良品種、栽培・保護方法を最大限に普及する資金はない。しかし、プロジェクトの継続により、地方の労働状況の改善による都市への人口集中化の抑制、植林及び低農薬・抵抗力のある品種の普及を通じた環境保護、輸出果樹生産の質量の向上による経済状況の改善等に貢献しうると考えられる。
7.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
将来同様のプロジェクトを実施する場合には、より長い期間で実施すること、また、プロジェクトを通じて訓練された技術者が、長期にプロジェクトの実施に関わるシステムを確立していくことが重要である。
![]() CESDAの試験場 |