(1999年3月、在中央アフリカ共和国大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1993、94、95年 |
協力金額 | 8.13、4.27、4.03億円 |
相手国実施機関 | エネルギー・鉱山省水利局 |
協力の内容 | 同国首都バンギ県に隣接するオンペラ・ムポコ県には総人口の30%が居住するが、急激な人口増のため井戸の供給が需要に追いつかない。そのため住民は、河川水、溜り水を利用しており、下痢、アメーバ赤痢、肝炎、住血吸虫など多数の疾病を発症し、住民、とくに乳児の死亡率は極めて高い(96人/1000人)。本件実施によりこうした問題を解決する。オンペラ・ムポコ県で必要とされる井戸330本のうち、特に優先度の高い240本の深井戸建設、および必要な資機材の調達。 |
1.効率性
当案件は1986年度案件の「西部地下水開発計画(フェーズI)」を補完するものと同時に、89年度案件「ナナ・マンベレ県地下水開発計画」と現在実施中のバンギ市地下水開発計画の中間期に実施され、我が方、先方とも適正レベルの技術が投入された。ただ騒乱中、水利局の施設が襲撃を受け、機材類が略奪され、工事が一時中断された。
2.目的達成度
当国の政情不安により2度も工期延長を余儀なくされたが、無事竣工にごぎつけた。240本の目標は達成され、大部分が現在でも有効活用されているが、騒乱及び治安状況等の原因により各地域への井戸の割り当てにつき不均衡が生じたりした。
3.インパクト
対象地域で飛躍的な衛生環境の改善が見られたとともに、首都と対象地域の間の経済的・社会的な格差もいくらか改善された。水分野は当国における最重要分野であり政治的にも日本のプレゼンスを印象づける計画となった。
4.妥当性
対象地域は全人口の30%を占める人口密集地域であり、衛生的な水に対する需要は非常に大きく、本件計画は適正であった。また、案件形成段階において類似事業を手がける国連開発計画(UNDP)と十分に協議し、重複のないような計画を策定した。
5.自立発展性
井戸ごとに設けられた管理委員会は全くの自治であり、村落ごとに管理状況に大きな隔たりが見られた。これら管理委員会に対する水利局の監督・指導が必要であるが、不十分である。
6.環境及びWID(途上国の女性)への配慮・影響
本件実施により対象地域の女性たちは長時間の水汲みという重労働から解放された。
![]() 井戸と子供たち |