(1999年3月、在エティオピア大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1993年度、94年度 |
協力金額 | 5.08億円、7.05億円 |
相手国実施機関 | 農業省 |
協力の内容 | 小規模灌漑開発計画を進めている農業省に対しブルドーザー、コンクリートミキサー、砕石機等の土木工事用機械、ダンプ・タラック、ピックアップ等の車輌類、調査用のボーリング・マシン、及びスペアパーツ購入のための資金を供与した。 |
1.効率性
州政府は農民の負担・管理能力を考慮し、小規模な取水堰と水路建設による灌漑方式を採用する等、事業費、維持管理費の削減に努め、投資効率を高めている。本件の建設機材の供与は、灌漑事業の作業効率の向上、建設コストの削減に貢献している。
2.目的達成度
我が国が供与した建設機材により灌漑事業の実施が促進され、この結果年間を通じて限られた耕作地の有効利用(2期作)が図られ、また穀物以外にジャガイモ、タマネギ、トマト等の付加価値の高い野菜の栽培が可能となり、零細農民の生活基盤の確立、食糧の安定供給に貢献した。
3.インパクト
小規模灌漑事業は、直接的には零細農家の現金収入増加、食糧生産量の増加等、また間接的には零細農民の意識改革、農民組織を統合・形成を促進し、食糧安保、農村基盤の確立を推進している。本件協力は、小規模灌漑事業の機械化を促し、建設コストの削減、建設効率の向上を図り、計画的な事業展開に貢献している。
4.妥当性
都市部、地方部ともに供与した救急車の一日あたりの稼働回数は非常に高く、地域社会になくてはならないものとなっている現状から、本プロジェクトはニーズを的確に捉えて計画され、結果的にもそのニーズに十分に応えたものであったと言える。
5.自立発展性
日本の協力終了後も各県ごとに専用に設置された整備工場において、車輌の定期点検や不良個所の修理が問題なく行われている。その結果、走行距離20万キロを超える車輌もまれではないが、いずれも良好に稼働しており、維持管理面での問題は見られない。
6.今後必要とされるフォローアップ
当国の農業セクターへの援助においては、農村開発の視点が不可欠であり、小規模灌漑事業で実施されているような関農民を巻き込んだ事業展開が望まれる。また、機材案件にあっては、機材の配置、効率的な運用についての技術指導を行うことも重要であると言える。
![]() 水路(Gambera Tre) 水路の分岐は落とし蓋方式。 末端の水路は素堀となる |
![]() 耕作の様子(Abono) 灌漑地の耕作風景、牛に鍬を引かせる原始的な耕作が行われている。 |