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エジプト カイロ州消防機材整備計画


(1999年3月、在エジプト大使館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 無償資金協力
協力年度 1989年度
協力金額 6.98億円
相手国実施機関 カイロ州消防局
協力の内容 同州消防局の管轄する消防署に対し消防車輌26台及び無線・消防服等の必要機材を供与し、同消防署の能力増強を図った。


〈評価要旨〉

1.効率性

 本計画は、目的達成のために最も効率的な対応策であったと言える(火災被害の最小化という観点からは、都市計画や建築基準の見直し等の支援も考えられるが、本件計画より長期かつ高コストになることは明らかである)。

2.目的達成度

 供与機材は消防局に到着後、速やかに各消防署に配置され、本件協力は完全に実施された。また、一定期間を経過した時点で、状況に応じてその配置の見直しが行われているなど、実施機関は供与機材を有効に利用している。

3.インパクト

 (イ)多くの生命が救われた、(ロ)火災に伴う経済的損失も最小限にくい止められた、(ハ)市民からの信頼が高まりこれは職員の志気高揚にも役立った。

4.妥当性

 本件プロジェクトの計画時点と比べ、火災発生件数は、1.5倍前後にまで急増し、また、高層建築化による消化活動の困難化、郊外へのスプロール化に伴う守備範囲の広域化も着実に進んでいる。これらは計画が概ね予想していた状況であるが、供与機材がこうした問題解決のために効率的に活用されている現状から、本件協力はニーズを十分把握した上で決定され、また、結果的にもそのニーズに十分把握した上で決定され、また、結果的にもそのニーズに十分に応えたものであったと言える。

5.自立発展性

 (イ)消防局がみずから運営する整備工場において定期点検や不良個所の整備が行われている。(ロ)厳しい財政状況のなか、メンテナンス予算は増額されている。(ハ)平成6年のフォローアップ調査によりスペアパーツが供与された。(ニ)消防局は、予算事情の制約のなか、自らの予算で新規の車輌を購入し、能力増強に努めている。以上の諸点から自立発展性は十分に確保されていると言える。

6.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 プロジェクトの継続性を確保するために、実施機関のメンテナンス能力の高さにつき十分な確認を行うとともに、実施国においては一部のスペアパーツについては入手が困難なものもあるため、適切なタイミングでのこれらの供給を予め検討しておく必要がある(本プロジェクトではこの点は非常に成功している)。


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