(1999年3月、在シリア大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1993年度、94年度 |
協力金額 | 6.49億円、4.75億円 |
相手国実施機関 | 情報省シリア国営テレビ放送公社 |
協力の内容 | 教育チャンネルの送信出力強化により、シリア北東部の農業従事者/地域住民に対する情報提供及び教育水準の向上を図るため、送信用機材の新規供与(新ハッサケ送信所)、拡充(デリゾール送信所、タブカ送信所)を行なった。 |
1.効率性及び目的達成度
供与機材の納入は予定通りに行われ、ハッサケ送信所についてはシリア側負担工事(鉄塔建設)が遅れたことにより、送信所完成が約5ヶ月遅れたものの、他の送信所についてはほぼ期日通りに送信所が完成した。完成後、技術テストを経て、ハッサケ送信所では1995年11月より、デリゾール、タブカ送信所からは96年2月から、シリア第2TV放送が都市部と同様の時間帯(午後4時から12時まで)に送信されており、当初の目的は達成されている。
2.インパクト
本件協力により新たにカバーされた地域の人口は約140万人にも上る。また、都市部と同様の時間帯に送信され格差もない。受信状況も良好であり、当初想定された通りの成果が上がっている。女性に対する社会開発効果も高い。
3.妥当性
広大な土地にまばらに人が住む同農村部では、本件協力による情報と教育機会の拡大は、地域社会開発を進めるうえで非常に有効な手段であった。
4.自立発展性
1)維持管理は、技術者により適切に行われている。2)維持管理費もシリア側で確保されている。3)交換部品も現地代理店を通じて供給されている。総じて問題ない。
5.WID(開発における女性)への配慮
農村部における教育機会の増加等を通じ、当該地域の社会環境の改善が図られている。さらに、農村部の女性に対しては、自宅において教育、農業の各種情報にアクセス可能となることから、女性に対する社会開発効果も高いものと考えられる。
![]() ハッサケ送信所の遠景 |
![]() ハッサケ送信所より約40キロメートル離れた民家のテレビと主婦 (第2テレビの映りは極めて良好) |