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パプア・ニューギニア ヘラ婦人協議会裁縫学校支援計画


(1999年2月、在パプア・ニューギニア大使館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 草の根無償
協力年度 1994年度
協力金額 3,201,624円
相手国実施機関 ヘラ女性協議会(Hela Council of Women
協力の内容 南ハイランド州西部・タリにある「ヘラ女性協議会」が、傘下の女性協会や協会団体が実施する裁縫教室へミシン及び関連部品を供与し、女性が裁縫技術を身につけ衣類を作成し、現金収入を得る機会を提供することで、女性の生活及び地位の向上を図ることを目的とし、「ヘラ女性協議会」の傘下にある14の女性協会及び協会系団体に対し、それぞれの団体が実施する裁縫教室に対して、330台のミシン及び関連部品を提供。


〈評価要旨〉

1.効率性

 多くの女性グループがミシンを活用して裁縫技術を習得し、作成した衣類の販売による現金収入を獲得できるようになる等、成果が直接現れる点で効率的な投入であったと評価できる。他に小規模融資による現金収入プロジェクトが実施され、現金収入のオプションが増え、女性のみならず、コミュニティ全体の生活向上が図られている。

2.目的達成度

 23の女性協会のうち、訪問先の協会、その傘下の女性グループは、供与されたミシンを使って衣類を制作しマーケットに出向き現金収入を得ることができ、その結果、各協会・団体における女性の役割及び意識の変化がもたされていた。かかる点から、本プロジェクトが生活向上にプラス要因として貢献していることが確認できた。

3.インパクト

 23の女性協会及び団体に属する女性に現金収入を与え、経済的社会的進出を促した。特に、裁縫技術の習得、ビジネスマインドの定着等を通じ、女性の意識の変化を促した点での本プロジェクトが与えたインパクトは大きい。

4.妥当性

 各女性協会は南ハイランド州第二の都市タリ中心部から遠く離れアクセスが容易でない地域に位置していること、供与したミシンの半分近くが修理を必要としていることから、プロジェクトの持続性といった観点からの留意も必要であったと言える。

5.自立発展性

 供与後の経過期間(本件評価時点で4年経過)や供与先の社会的経済的状況に比べて、現存分のミシンはよく維持管理されていること、各協会において女性の参加意識が高まっており、現存分ミシンによりプロジェクトが維持されていることから、今後、維持管理を中心とした技術支援が得られれば、本件は規模を縮小しながらも継続していくものと思われる。

6.今後必要とされるフォローアップ  ミシンの維持管理に係る技術指導が、少なくとも各協会や団体の代表等のキーパーソンに対して実施されれば、そこからの普及効果が期待でき案件の持続性は高まると思われる。


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