(1999年3月、在ウズベキスタン大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1995年度 |
協力金額 | 4.0億円 |
相手国実施機関 | 農業水利省 |
協力の内容 | 主要穀物である米及び小麦の増産のため、農業機械(コンバイン)等を供与する。 |
1.効率性
コンバインの納入に関し、特段の問題はなかった。
2.目的達成度
当国が保有するコンバインの多くはロシア製のものであるが、本件援助によって調達された西側のものは単位あたり収穫率でロシア製のものと比較して、約5倍と抜群に生産性が高く、かつ、ロシア製のものについては約1割強の収穫ロスが発生するのに対し、全くロスが発生しないという地元農民にとって驚くべき性能を示している。
3.インパクト
灌漑農業を行っている当国では、灌漑用水の供給量、農薬及び肥料の使用量、並びに天候が収穫高に大きく影響を与えているが、供与された最新コンバインが収穫ロスの軽減及び収穫期間の短縮等により増産に奇与したと評価できる。
また、農業水利省は本件援助によって調達された農業機械を活用するために、カラカルパクスタン自治共和国及びホレズム州にそれぞれ農業機械サービス・センターを設置し、約200名を新規雇用した。4.妥当性
当国政府は人々の生活を安定させ、かつ貴重な外貨を節約するために、食糧自給の達成を国の最優先課題のひとつとしており、本件援助は妥当なものである。また、本件援助は、当国の米生産の約8割を占める一方、アラル海環境問題に苦しんでいるカラカルパクスタン自治共和国及びホルズム州を対象地域として行われており、貧困緩和及び地域間格差是正にも間接的に奇与することが期待される。
5.自立発展性
1995年度及び96年度以降の食糧増産援助によって調達されたコンバイン等農業機械はこれまでのところ大きな故障もなく適切な維持管理が行われ、収穫期は2交代で運転するなど十分活用されている。
6.今後必要とされるフォローアップ
我が国の協力の在り方としては、農業機械の継続管理能力の向上を図り、今後もセンターの自立的な運営を確保するために、技術協力との連携を図り、短期専門家派遣による技術指導を通じて技能工の育成に連動させる形で、保守点検及び修理用の機材や機具を整備することが重要であり、これらの面でも我が国の支援が求められている。
7.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
食糧増産援助によって、農業機械の調達が行なわれる場合には、技術力と連携させたプロジェクトとして、包括的なアプローチにより食糧増産を支援することが適切である。