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メキシコ モンテレイ上下水道整備計画


(1999年2月、在メキシコ大使館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 有償資金協力
協力年度 1992年度、134億8,200万円
相手国実施機関 モンテレイ市上下水道サービス公社
協力の内容 ヌエオレオン州政府の上下水道整備計画(モンテレイIV)により、デュルセスノンブレス下水処理場、ノルテ下水処理場、ノレステ下水処理場を建設する。


〈評価要旨〉

1.効率性

 事業期間は、4年弱と迅速で、極めて効率的なプロジェクトであった。また、本事業は、米州開発銀行との協調融資であり、この意味からも効率的であった。

2.目的達成度

 1996年までに3ヶ所全ての下水処理場が計画通り完成し、事業を開始した。それぞれ当初予定通りの処理能力を有しており、プロジェクトの目標は達成された。

3.インパクト

 下水処理場から排出される水は、政府の定める水質基準を満たしており、その結果、ペスケリア川は、きれいになり、魚が戻ってきていることから、環境面での大きな正のインパクトが認められた。また、メキシコ国内において経済的に重要なモンテレイ市の経済活動に貢献する本プロジェクトは、有力な財界人の関心も高く、日・メキシコ友好関係増進に貢献した。

4.妥当性

 本プロジェクトは、上位計画に位置づけられており、またペスケリア川の汚染状況に鑑みるとモンテレイ市及びその周辺地域のニーズに合致していた。しかし、処理能力をフルに活用していない処理場と処理能力を超える汚水を抱える処理場があることから、本プロジェクトの規模について、計画段階での検討不足が指摘される。

5.自立発展性

 建設された施設、機械等は、モンテレイ市上下水道サービス公社によって有効に活用されており、本プロジェクトの成果は維持されている。予算、人材面でも十分な配慮がなされている。また、処理能力に余剰がみられる処理場については、順次施設を休止してメンテナンスを行っている。さらに下水処理場で副次的に発生する電気・ガス等のエネルギーの有効活用に取り組んでいる。

6.環境への配慮・影響

 本プロジェクトの実施により、下水の処理を行うことが可能となり、環境の改善に大きな効果が見られた。

7.今後必要とされるフォローアップ

 特になし。

8.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 完全は予測は難しいが、ともすれば被援助国は、過大なプロジェクトを実施しようとするため、援助国はそうならないように常に注視すべきである。


(写真)デュルセスノンブレス下水道処理場
デュルセスノンブレス下水道処理場
(写真)ノレステ処理場
ノレステ処理場


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