(1999年3月、在パラグアイ大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1993年度、1億9,800万円 |
相手国実施機関 | 厚生省 |
協力の内容 | 基礎医療インフラの絶対数不足を補い、医療システムを改善するため、医療救急車50台を供与する。 |
1.効率性
医療救急車を導入することは、基礎医療インフラの絶対数不足の状況下における、医療システム改善の対応策として効率的であった。
2.目的達成度
基礎医療インフラ整備が遅々として進んでいない中、供与された医療救急車50台は、患者移送業務の中核として活用されており、脆弱な緊急移送システムの補強・構築するとの目標は達成された。
3.インパクト
緊急車両の供与時には、市内パレードを含む、大々的な供与式が行われた他、日本からの援助である旨明示されており、在パラグアイ大使館に一般市民からの感謝の電話があるなど、二国間の友好関係の増進に大きく貢献した。本プロジェクトの実施が呼び水となり、同様のプロジェクトが他のドナーにより実施され、パラグアイの医療分野への協力推進にも寄与している。
4.妥当性
基礎医療インフラの絶対数不足の対応策として医療救急車を導入するものであり、妥当であった。舗装率が極めて低いこともあり、オフロードタイプ(4輪駆動)の車両供与は、極めて有効であった。
5.自立発展性
供与された50台の車両の内、現在稼働中のものは38台であり、3台が大破し、修理不可能、残りは修理・整備となっている。供与車両は全て厚生省緊急サービス局の管轄下にあるが、実際の運用、維持管理は、配置先である病院・診療所等に一任されており、厚生省は、実態を必ずしも十分に把握していないため、システマティックな運用が十分に出来ていない。また、厚生省からの予算措置がなされていないことから、維持管理が十分でなく、費用の一部を患者が負担して補っている。
6.今後必要とされるフォローアップ
特になし。
7.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
供与後の運行・維持管理を徹底するため、カウンターパート側の予算措置、体制造りを勘案し、案件を実施する。