(1999年3月、在ニカラグア大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1995~97年度、35.64億円 |
相手国実施機関 | ニカラグア上下水道庁 |
協力の内容 | マナグア市全域にわたる給水制限を緩和し、アソソスカ湖の水質保全の為に、15本の井戸を掘り水源を確保すると共に給・配水に必要な施設を整備する。 |
1.効率性
マナグア市の上水量の20%が、本プロジェクトにより確保された。他の水源をマナグア湖やニカラグア湖に求めた場合に比べ、水の処理や配水の為の費用が大幅に安くなった。既存の井戸の効率化や漏水の減少など、既存の上水システムの改善は、米州開発銀行からの融資により実施された。
2.目的達成度
本プロジェクトの実施により、上水の給水に必要な施設が整備され、アソソスカ湖からの取水量を大幅に軽減するとともに、アルタミラ配水地区とそれに関連する5つの配水地区の総数57万人の住民に対し、給水が可能となるとともに、かつてあった断水の問題がなくなった。
3.インパクト
住民57万人に対し、安定した給水が可能となり、住民の生活が改善された。本プロジェクトの実施に対する政府の評価は非常に高く、アレマン大統領をはじめほぼ全ての主要閣僚が出席して竣工式が行われ、二国間の友好関係の増進に貢献した。
4.妥当性
マナグア市は、農村部からの人口流入もあり、年率7%の高い人口増加により大幅な水不足が生じ、週2回の給水制限を行っており、給水施設を整備することは妥当であった。また、導入された技術レベルは、現地技術者が十分に管理運営できるものであった。実施のタイミングも、水不足による給水制限が更に厳しくなれば住民の負担が大きくなっていたことから、本プロジェクトの実施は妥当であった。
5.自立発展性
供与された施設・機材は有効に活用されている。また、維持管理に必要な予算及び人員も確保されている。ニカラグア上下水道庁の全体的な運営も、初期インフラ投資を除くと総収入が総支出を上回っている。
6.ジェンダーへの配慮・影響
安定した水の供給が可能となり、女性及び子供の仕事であった水汲みが大幅に軽減された。
7.環境への配慮・影響
プロジェクトサイトは、郊外の緑に囲まれた広い敷地内にあり、外観が周りの景色を損なわないよう考慮されている。マナグア湖の汚染を防ぐため、IDB、ドイツ等の融資により近くマナグア市下水処理プロジェクトが実施されることとなっている。
8.今後必要とされるフォローアップ
これまで維持管理上の問題は発生していないが、今後は、給水モーターの受け軸ベアリング、水中モーターのプロペラ等の消耗品の供給が必要となる。
9.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
開発調査からプロジェクト実施までに要した時間が比較的短く、プロジェクト実施のタイミングが適切であった。
![]() 施設正面 |
![]() ポンプ室 |