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グアテマラ共和国 食糧増産援助


(1999年3月、在グアテマラ共和国大使館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 無償資金協力
協力年度 1993年度、94年度、95年度
相手国実施機関 農牧食糧省(MAGA)
協力の内容 食糧増産に資することを目的に、我が国からの資金援助によって調達された農機を農民に貸与・販売し、生産性向上のための技術指導を行い、又、我が国からの資金援助によって調達された肥料を適価で販売することを通じて、基礎穀物の増産を促進する。


〈評価要旨〉

1.効率性

 本件協力の下で調達された農業資機材については、円滑的・効率的な活用がなされており、特に、良質で安価な肥料は高く評価されている。但し、当該農業資機材の配布面に関し、肥料の販売については概ね効率的に実施されたものの、農機の販売については、価格が高値で市場価格との価格格差が大きく、価格の大幅なダンピングを実施せざるを得ず、完売までかなりの時間を要する等、迅速な配布という点で若干問題があった。

2.目的達成度

 1993年度の食糧増産援助の下で調達された農業資機材に関しては、農機の完売までかなり時間を要したものの、すべて売却されるに至り、農民の機械化目標が達成された。又、それに続く肥料等の適価販売も概ね効率的に行われ、計3回に亘る食糧増産援助の実施は、食糧増産に貢献したと思われる。

3.インパクト

 本件協力の下で調達された農業資機材のうち農機は、農民の機械化促進、また、良質な肥料の安価な販売は肥料の市場価格の安値安定化に波及効果をもたらした。

4.妥当性

 肥料については、ほぼ6ヶ月以内に完売された。農機については、販売が順調に実施出来ないと判断された段階で、効率的・効果的な賃貸システムへの転換を試みるべきであったと思われる。農機は販売後のメンテナンスが重要であるので、計画形成の段階から、販売体制、貸与システムをより整えることが必要であった。

5.自立発展性

 本件協力の下で調達された農機については、効率的な活用がなされている。特に高価な農機については農業協同組合単位で購入され、右組合が維持管理している。肥料については、消費財なので販売後の維持管理は基本的に不要であるが、農民に対して、その使用方法等、生産性向上のための適切なる技術指導及び作物流通に資する的確なアドヴァイスが必要不可欠と考えられる。

6.今後必要なフォローアップ

 灌漑用ポンプについては、販売期間が延期されたこととの関係で、その必要性を検証するために、使用状況を正確に把握するモニタリングが重要である。第一義的には、農牧食糧省の努力が必要であるが、我が方としてもモニタリングの調査結果報告を随時受け、効率的・効果的な活用を注視していくことが重要である。

7.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 農民のアクセスを確保するため、農機については、低利クレジットによるリース方式(販売代金はクレジットを貸与する銀行から直接見返り資金積み立て口座に振り込まれる。)を構築し、試験的に実施する等、事前に被援助国に対して、配布・利用体制についての助言等を行うことが有用と考えられる。


(写真)1993年度2KRにて供与された歩行用トラクター
1993年度2KRにて供与された歩行用トラクター


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