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ウルグアイ 果樹研究計画


(1999年3月、在ウルグアイ大使館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 プロジェクト方式技術協力
協力年度 1986年~93年
相手国実施機関 農牧水産省農業研究センター(INIA)
協力の内容 農業所得の向上及び外貨獲得を目指して、果樹産業の振興を図るため、落葉果樹に関し、(イ)品種の改善、(ロ)栽培技術の改善、(ハ)土壌及び樹体栄養の改善、(ニ)病害虫防除の改善、(ホ)収穫及び貯蔵技術の改善に関し、専門家の派遣、研修員の受け入れ、機材供与に加えモデルインフラ事業を行なった。


〈評価要旨〉

1.効率性

 機材供与及び技術協力の質は適切であったといえるが、プロジェクトの基礎となるモデルインフラの事業の遅れに加えて、カウンターパートの手当、専門家派遣の遅れ等により、当初の予定よりも2年の延長を要するなど、効率性にはやや問題があった。

2.目的達成度

 供与された機材、施設、専門家による技術移転の結果、農牧水産省農業研究センターの研究レベルは向上し、また、プロジェクトの成果と明言は出来ないが、落葉果樹の輸出についても、プロジェクト後拡大している。

3.インパクト

 農業水産省農業研究センターは、組織上、産業会と密接な関わりを持っていることから、プロジェクトの実施によりもたらされた情報や技術については、生産農家に浸透しており、果樹生産拡大、輸出拡大の一助となっていると推察される。

4.妥当性

 本プロジェクトの目的は、非伝統的農産品育成という政府の政策と整合性があり、また、品質・生産性の向上と輸出の拡大を目指す果樹農家のニーズに適合していた。しかし、プロジェクト進行中に数度に亘る課題の変更及び計画の見直しが必要となったことから、当初の計画はやや拡大しすぎていたといえる。

5.自立発展性

 特に、本プロジェクトのモデルインフラ整備事業として建設された果樹組織栽培棟は、ウルグアイの農業研究におけるバイオテクノロジー技術導入の大本になったとも言え、自立発展性が顕著である事例として評価できる。

6.環境への配慮・影響

 落葉果樹林が増えることは、むしろ環境に対し正の効果をもたらすと考えられる。

7.今後必要とされるフォローアップ

 供与機材はすでに供与後10年以上を経過しているものがほとんどであり、保守管理上、ウルグアイでは入手困難なものが不足している事例が見られるところ、メーカーの部品在庫にもよるが、機材の効率的利用を図る観点からフォローアップが必要である。

8.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として生かされるべき事項。

 本プロジェクトは当初の計画より2年延長され計7年の協力を行なっている。遅延原因のひとつとしてモデルインフラ整備事業の遅れが挙げられている。施設整備を伴うプロジェクトの場合に共通していえることであるが、プロジェクトの開始に先駆けて施設整備を先行して行なうようなシステムを考慮するべきである。


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