(1998年11月、在ラオス大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1985年度、86年度 |
協力金額 | 6.40億円、5.13億円 |
相手国実施機関 | ラオス電力会社 |
協力の内容 | ビエンチャン市及びその近郊の6つの変電所において、変電機器、通信、給電監視装置の供与、据付、調整、試験を行い、かつ補修後の変電所の円滑な保守運用を図るため、保守用資機材、工具の供与ならびに運転保守の操業指導を行った。 |
1.効率性
計画策定から工事完成・引渡に至るまで、当初予定通りプロジェクトは効率よく実施された。
2.目的達成度
ビエンチャン市近郊の6変電所は総合的機能を回復し、同地域の電力供給安定度を大きく向上させた。特に製造業部門のGDPが1986年以降当時の構成比10%から96年で15%へと着実に増加した。
3.インパクト
ラオス電力公社の最大需要地における電力供給安定度が向上し、ビエンチャン地区における産業・経済活動が促進された。同公社は、特に訓練の実施により保守要員の質的向上が著しく、制度・組織面で充実した。
4.妥当性
ビエンチャン地区における電力供給の安定化というラオスのニーズ及び我が国援助方針と合致しており、導入された資機材もラオスの状況に相応しい仕様である。
5.自立発展性
ラオス電力公社の保安要員の技術的向上により、ビエンチャン地区は高い電力供給安定度を維持し、ラオスの農業・工業分野でのインフラ整備が着実に進み、便益が維持されている。
6.環境への配慮・影響
電力供給安定度の向上は、停電時の燃料、薪炭材の燃焼による電力代替を低減し、煙の発生や二酸化炭素排出量の低減につながる。
7.ジェンダーへの配慮・影響
民生分野の電力需要が増大したことは、女性の生活の質的向上に貢献している。
8.今後必要とされるフォローアップ
本件プロジェクトの補修用機器については、完成後10年を経ているので機器のオーバーホール等の点検作業を実施する必要がある。
9.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
ラオスに関係法規、技術基準がないことに鑑み、日本の現行基準によるものとし、補修部品についても入手しやすい日本製品を積極的に使用し、保守用資機材、工具も供給されたので、保守運用面で10年を経た今日も変電所が順調に稼働している。
![]() Phongtong変電所30MVA変圧器 |
![]() Wattay変電所制御盤 |