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フィリピン 労働安全衛生センター設立計画


(1999年1月、在フィリピン大使館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 無償資金協力(19.69億円)及びプロジェクト方式技術協力
協力年度 1986年度(無償)、88~92年度(プロ技)
相手国実施機関 労働雇用省
協力の内容 研修活動、調査研究・広報活動、健康管理のための検診に必要な施設及び機材の供与並びに健康管理、環境管理、安全管理及び研修広報に係る技術指導を行う。


〈評価要旨〉

1.効率性

 研修数は趨勢的に増加しており、施設及び職員数等から見た実施能力の限界に近づくほど有効活用されている。但し、研修終了生の数が安定していないという面があり、研修の実施時期、受講者募集方法等につき検討し、研修修了者数の拡大を図っていくことが望まれる。

2.目的達成度

 研修講習数及び研修生終了実績から見て、施設・職員の稼働限度近くまで研修を実施していると考えられる。また、検診受診者数は大幅に増加している。

3.インパクト

 センター運営により労働災害抑止の方向に向かっている。

4.妥当性

 センター設立以前は、職員育成機関が無く、また労働災害防止のための施策も不十分な機材により実施されていた。センター設立により、職員のみ成らず、民間関係者にも充実した研修を実施できるようになった。また、労働災害防止対策も一元的に実施できるようになった。本件センターが、フィリピンの労働合成に果たす役割は非常に大きい。

5.自立発展性

 施設の利用度は、非常に高く、施設の保守管理もきちんと行われている。また、エイズ、スティーブン症候群等協力期間以降生じた問題にも積極的に取り組んでいる。

6.ジェンダーへの配慮・影響

 女性職員の比率は、設立以来50%を超えており、特に所長、副所長等幹部は、設立以来女性が代々務めており、本センター運営における女性の活躍・貢献については、特筆すべきものがある。

7.環境への配慮・影響

 排水等が周辺への環境に悪影響を及ぼすといった問題は、建設当初より配慮されており、建設後10年を経た現在においても問題は全く生じていない。

8.今後必要とされるフォローアップ

 地方部における検診、防護具の開発等新規の事業も積極的に展開しているが、機材が不十分であり、また効果的な運営ノウハウが、不足している。さらにエイズ、スティーブン症候群等への対策能力向上に対するフォローアップが必要。また、映像音響機器、空調装置等については既に交換部品の入手が困難な物も出てきている。

9.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 無償資金協力による施設建設前より、プロジェクト技術協力の為の調査団を派遣し、入念な調整を行ったことにより、全体として経済協力の効果を高めることが出来た。


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