(1999年2月、在フィリピン大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1995、96年度、計29.37億円 |
相手国実施機関 | 公共事業道路省 |
協力の内容 | 鋼桁のみ供与して橋梁建設工事は公共事業道路省が実施するもの28、橋梁全体を実施するもの10を建設するもの(但し、本件評価は、ミンダナオ地区の3橋梁を対象として行った)。 |
1.効率性
3橋梁とも短期間の工期で建設された。また、橋梁の構造についても設置点における種々の状況を把握して鋼桁構造とコンクリート構造を使い分けた。
2.目的達成度
建設された橋梁は、機能を十分発揮しており、老朽化した橋梁を撤去して永久構造の道路橋を整備し、安全かつ効率的な陸上交通機能が確保された。但し、一部に幹線道路までの道路は、整備されているが、反対側の道路は、整備されていない(幅が狭く、舗装されていない)事例が見られた。
3.インパクト
本プロジェクトの実施により、交通が容易になり、農村地域の経済・社会活動の活性化に対する効果は大きい。地元業者の橋梁建設の経験を通じた技術移転効果も大きかった。
4.妥当性
背後地域の農村に対する裨益効果の大きさからみて、本プロジェクトの実施は妥当なものと考えられる。また、アバットメント構造の洗掘防止に対する配慮、スパンや工期を考慮した桁材料の選択等、構造的にも妥当であった。
5.自立発展性
ミンダナオ地域においては、一般的に道路の状況は、良くないため、既存道路の維持管理に公共事業道路省は多くの予算や人材が必要である。
6.今後必要とされるフォローアップ
完成後、2年以上を経過しているが、機能的な問題は全くなく、大規模かつ恒常的な維持管理の必要性はない。アクセス道路の整備が不十分な一部についてはフィリピン側に早急な対応を促す必要がある。
7.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
一部の橋梁については、鋼桁のみ提供して、橋梁自体は地元業者が行ったが、近傍で同一構造の橋梁の施工を日本の業者が行った事例もあり、技術の移転に繋がった。
![]() Mintal橋 |
![]() Inambatan橋(幹線道路方向を望む) |