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パキスタン 高電圧・短絡試験研究所建設計画


(1999年3月、在パキスタン大使館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 無償資金協力
協力年度 1987年度、88年度、89年度
協力金額 9.72億円、22.09億円、7.94億円
相手国実施機関 水利電力公社
協力の内容 パキスタン国内産業の育成と電力技術全般の向上及び外国で実施している試験を国内で実施することにより外貨を節約するために、高電圧・短絡試験研究所を建設することを目的として短絡試験装置、高電圧試験装置及び試験棟・管理棟の調達を行った。


〈評価要旨〉

1.効率性

 供与施設を十分に使用した活動が実施されており、供与の内容及びレベルは妥当であったと考えられる。また我が国技術協力との連携も図られており、無償資金協力実施後、本研究所にはこれまで5人の長期及び短期専門家が技術指導に入っている。

2.目的達成度

 変圧器試験については、計画で見込まれた試験件数(年間30件)を概ね達成しており、50件以上の試験を実施した年度(1996年度)もあった。遮断器試験については、試験の申し込み自体が少なかったので、計画された試験回数(30件)を達成できていなかったが、試験回数はその時々の配電機器の需要の大小に左右されるものであることから、より長期の実績を見て目標達成度を判断する必要がある。

3.インパクト

 本研究所の設立により、外国に持ち出すことなく国内で変圧器等の検証試験ができるようになり、外貨節約及び国内の配電用機器の性能向上に大きく貢献している。

4. 妥当性

 本件は、電力技術向上のために不可欠な試験であるが、これまでパキスタンにおいて実施されていなかった配電機器の検定試験を行うための施設整備を行うものであり、パキスタン側のニーズを踏まえた計画策定ができていた。

5. 自立発展性

 政府の厳しい財政状況の下、研究所の運営に必要な予算は毎年確保されており、また、国内で配電機器の検定試験を実施できることによる外貨節約のメリットも大きいことから今後とも安定した活動が継続される見込みがある。なお、水利電力公社は将来民営化される予定であり、民営化に伴う本研究所の位置づけについて注視する必要がある。

6.環境への配慮・影響.

 本研究所は、イスラマバード郊外の水利電力公社敷地内に所在し、周辺には人家もなく、環境に悪影響を与える問題はない。

7.今後必要とされるフォローアップ

 水利電力公社は専門のメンテナンス部局を備えており、これまで自力で供与機器のメンテナンスを行ってきているが、当地で入手困難なスペアパーツ等については、フォローアップ事業を活用して供与できればより効率的な供与機器の活用が図られる。


(写真)試験棟(短絡試験棟)
試験棟(短絡試験棟)
(写真)短絡試験設備(短絡発電機)
短絡試験設備(短絡発電機)


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