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広州 和平中学・高校科学楼建設援助計画


(1999年3月、在広州総領事館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 草の根無償資金協力
協力年度 1995年度、10.1万米ドル
相手国実施機関 広東省和平県和平中学・高校
協力の内容 和平中学・高校の実験室、LL教室、コンピューター室が一体となった科学校舎を建設した。建設資金の内、84万元を供与し、残りについては、同校と県が負担した。


〈評価要旨〉

1.効率性

 県政府、県教育局、県建設担当部門指導者等が自ら建設現場に訪れ、指揮した結果、短期間に校舎が完成した。

2.目的達成度

 科学校舎が建設されたことにより、理科系科目に関心を持つ生徒数が増加した。また、生徒の学力が向上した結果、大学試験等で優秀な成績を収める生徒の数が増加した。

3.インパクト

 実験機会及びコンピュータ使用機会の増加に対し、生徒及び教師から感謝の意が示された。また、本件協力により建設された科学校舎は、市の建築監督部門による最終審査で優良工事との評価を受けるなど、本来の目的以外でも評価され、注目を集めた。

4.妥当性

 本件協力の実施により、生徒の実験への参加率が格段に向上した。省政府による9年制義務教育普及審査では、実験室、LL教室、コンピューター室の有無が各学校の義務教育達成度を測る上でのインフラ条件の一つとされていたが、本件プロジェクトの実施により、同審査で合格した。また、河源市より第1級の学校との評価を受け、同校に対する格付けは大幅に向上した。

5.自立発展性

 校舎建設費の内、本協力による供与を除く、約84万元については、県及び省からの財政資金により補われた。また、校舎の完成に合わせ、県、省の教育機材整備資金等から必要資金を投入し、不足していた機材を補った。自費により、更に30台のコンピューターを購入したり、資料を充実させたり、きちんと清掃を行うなど、校舎内の設備、教育機材面での整備状況及び管理・使用面における維持・管理は良好である。

6.今後必要とされるフォローアップ

 特に必要なし。

7.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 人材育成は、貧困地域の経済発展に欠かせないものであるが、中学・高校という精神的にも学力的にも大きく成長する青少年レベルに対し援助を行うことは、良好な対日イメージを形成する上で、有効である。

 今後、予算の大幅な増加が見込めなくなる中において、限りある資金を有効に用いるためには、ある程度極貧状態から脱却し、我が国の援助資金を自己の力で更に発展させる力量を持つレベルを対象とすることにより、我が国援助に加え、自助発展努力との二重効果を期待でき、また長期的で持続的な社会的効果をもたらすことが可能となる。


(写真)科学楼公社
科学楼公社
(写真)科学の実験をする生徒
科学の実験をする生徒


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