広報・資料 報告書・資料

前のページへ / 次のページへ

中国 新彊電視台機材整備計画


(1998年11月、在中国大使館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 無償資金協力
協力年度 1991年度、5億900万円
相手国実施機関 新彊電視台
協力の内容 漢語、ウイグル語、カザフ語による送出設備、ポストプロダクション設備、600平米及び150平米のスタジオ設備及び取材車等の屋外収録設備を供与する。


〈評価要旨〉

1.効率性

 漢語、ウイグル語、カザフ語の送出設備は、それぞれ専用の主調整室に設置され、良好な状態で運用されている。ポストプロダクション設備は、各語番組制作で供用されており、画質の向上等に貢献している。取材車は、ニュース素材の収集等に頻繁に利用されている。

2.目的達成度

 本件プロジェクトの実施により、老朽化していた施設及び設備が改善された結果、自主番組を作成し、放送時間を拡充することが可能となった。最新設備が導入され、画質が格段に向上し、また番組内容を改善することが可能となった。

3.インパクト

 自主番組が製作され、放送時間も拡充された結果、新彊ウイグル自治区の人々は地域情報を含む多岐にわたる番組の視聴が可能となり、教育の向上、ひいては経済の安定などの裨益効果がもたらされた。また、特にウイグル語、カザフ語の番組が増加することにより、各民族間の情報格差の是正、情報の共有が図られ、各民族間のより一層の協調に貢献している。

4.妥当性

 プロジェクトの選定は、開発上のニーズ・開発計画等に照らして適正であった。また、移転された技術、機材の仕様は、ニーズ及び技術水準に合致していた。

5.自立発展性

 本プロジェクトの実施により、自主番組を制作し、放送時間を拡充することが可能となったが、それに伴い必要となる人員も拡充された。1997年の総収入は1,395万元、総支出は1,798万元であり、差額については、国慶節や春節等の特別番組に対する政府特別交付金や設備、磁気テープ等購入費の買掛金で処理されている。98年の公告収入は97年に比べ、大幅に増加している。今後3年以内に、政府交付金が廃止される可能性があり、経営を緊迫する可能性がある。

6.今後必要とされるフォローアップ

 新彊電視台は、一層の発展の為に我が国の更なる支援に大きな期待を寄せており、具体的には放送中継用車両に搭載する機材設備等への支援を希望している。

7.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 他言語地域においては、放送局の番組制作作業が重複して設備的負担も大きくならざるを得ない一方で、言語が異なるが故に相互不理解生じ、ひいては、社会の不安定要素となっている場合がある。本プロジェクトは、これらの障害の軽減に大きく貢献しており、この手法は他の同様な問題を抱える地域にも活かせ得る。


(写真)主調整室
主調整室
(写真)スタジオ
スタジオ


前のページへ / 次のページへ

このページのトップへ戻る
目次へ戻る