(1999年1月、在タイ大使館)
援助形態 | 有償資金協力(円借款) |
協力年度 | 1988年度 |
協力金額 | 40.85億円 |
相手国実施機関 | 運輸通信省道路局 |
協力の内容 | 地方道路網を整備し、運輸インフラの強化を通じた交通量増大等により地域経済の活性化を図るために、中部タイ、東北タイの20路線に対して、道路改良、道路修復、道路拡張を行う。 |
1.効率性
事業主体である道路局は、毎年100路線以上の新規道路作業を実施しており、合理的に規格化された十分な道路建設のノウハウを有している。また、東北タイのウボンラーチャタニの2259号線と2351号線の2路線を評価した結果、未だに道路状況は良好であり、必要な補修も当局により実施されているので、本件は概ね効率的に援助が実施されている。
2.目的達成度
1980年代半ば及び90年当初には毎年10%以上の実質経済成長を達成していたタイ経済成長に伴う予見困難な国内インフレ率及び湾岸戦争等で諸経費が膨らみ本借款では9路線のみを融資対象とした。但し、本プロジェクトによる融資対象路線は9路線になったものの、残り11路線について8路線はタイ側の自己資金で、3路線については、92年度に本プロジェクトの第2期分によって整備されることとなった。評価対象の両路線とも交通量と人口が増加しているので運輸インフラ整備を通じた地方経済の活性化という目標は概ね達成されている。
3.インパクト
地方住民にとり、道路の簡易舗装により雨期でも確実に市街部に移動可能となったことは極めて大きな利益である。
4.妥当性
第6次道路開発5カ年計画により、優先順位がなされた上で道路が選定されているため、必要性及び全体の地域経済開発戦略との整合性があり概ね妥当である。
5.自立発展性
長年の道路建設及び維持管理ノウハウを有する道路局が直接管理しており、管理状況は良好である。道路局は、専用車両にて随時道路点検を行っており、かつ住民の通報等により、必要な場合には補修を実施している。
6.将来他のプロジェクトを実施する際に教訓として活かされるべき事項
急激な経済発展のさなかの国では、インフレ等により事業金額が不足しがちとなる可能性がある点は留意する必要がある。
![]() 2259号線 |
![]() 2351号線(橋の接続部分の補修工事) |