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スリランカ
ミニぺ・ナガディーバ潅漑施設修復計画
ミニぺ・ナガディーバ農村開発計画


(1999年3月、在スリランカ大使館)


〈プロジェクト概要〉

(ミニペ・ナガディーバ潅漑施設修復計画)

援助形態 有償資金協力(円借款)
協力年度 1987年度
協力金額 18.50億円
相手国実施機関 電力潅漑省潅漑局
協力の内容 スリランカ内陸部のミニペ地区に幹線水路55.3キロメートル、支線水路70.3キロメートル、取水口1カ所を、ナガディーバ地区に幹線水路11.6キロメートル、支線水路20.0キロメートルを整備し、維持管理用建設機材を購入する。


(ミニペ・ナガディーバ農村開発計画)

援助形態 無償資金協力(円借款)
協力年度 1988年度、89年度
協力金額 4.49億円、7.09億円
相手国実施機関 電力潅漑省潅漑局
協力の内容 ミニペ地区とナガディーバ地区に深井戸新設159本、浅井戸新設227本、浅井戸改修341本、道路改修88.5キロメートルを行う。


〈評価要旨〉

(以下は日程の制約からミニぺ地区のみの評価調査を実施)

1.効率性

 維持管理用建設機材については、評価時現在、別地域の工事に利用されており、ミニペ地区には配備されていなかったが、本件の維持管理等に必要な際は優先的に本件地域に配備し利用することが円借款の事業効果を持続させていく上で望ましい。

2.目的達成度

 乾燥する時期であるヤラ期(5~9月の南西モンスーン期)での全てのミニぺ地区での作付けが、本件実施前は40%であったのが、現在は100%となっており、二期作の拡大について目標を達成している。他方、単位あたりの収量については、全国平均3.5トン/ヘクタールと大差なく目標の4.5~5.0トン/ヘクタールに達していない。

3.インパクト

 単位あたりの収量の伸び悩みはミニぺ地区のみに限ったことではないが、潅漑局によれば農家月収入は2,000~3,000ルピー(1ルピー=2円)と見られ、確保された農業用水を使った一層の高収入への取り組みが必要となる。

4.妥当性

 ミニベ地区は、稲作主体の農村地域であり、将来も農業が営まれる地域であり、事業の効果が長期的に現れるので地区選定について問題はない。

 井戸の建設箇所も周辺住民の便利な地域であり問題ない。

5.自立発展性

 農業の幹線水路の管理主体である電力潅漑省潅漑局ハサラカ事務所は、ミニぺ地区全体を統括して管理しており管理上問題はない。支線水路は受益農民が管理している。

 井戸は、周辺住民が共同管理し、部品の修理も自ら行っている。

6.環境への配慮・影響

 本件は、既存施設の改修であり、環境への影響は軽微である。

7.ジェンダーへの配慮・影響

 生活用水の確保は従来は女性の役割であったが、現在容易に生活用水が得られるので女性達の労働軽減に寄与した。

8.今後必要とされるフォローアップ

 収量の低迷については、全国的な問題であり、一層の品種の改良、農業普及の強化等の行政レベルの取り組みとともに、作付け管理の徹底等の農民レベルの取り組みも必要であろう。

9.将来他のプロジェクトを実施する際に教訓として活かされるべき事項

 予め幹線水路の維持管理用建設機材を購入していること、井戸に錆びにくい材質を使用していることは適切である。


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