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カンボジア 国道6A号線修復計画


(1999年4月、在カンボジア大使館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 無償資金協力
協力年度 1993年度、94年度
協力金額 14.18億円、15.94億円
相手国実施機関 公共事業・運輸省大規模事業局(当時:運輸・通信省)
協力の内容 先に修復されたチュルイチョンバー橋(通称:日本橋)に続く国道6号線を修復し、メコン川東岸地域への陸路による交通を可能とし、カンボジアの経済発展に資することを目的として、道路延長:44.5キロメートル、橋桁架替:5カ所、橋台復旧:4カ所、橋脚復旧:3カ所、暗渠;37カ所の工事を行った。


〈評価要旨〉

1.効率性

 当初予定どおり実施され、カンボジア側の免税措置、通関等の負担、協力についても円滑かつ適正に実施された。チュルイチョンバー橋修復計画との相乗効果による交通量の増加は著しい(同橋の自動車交通量は1994年3月で2,573台/日であったのが、99年3月で10,949台/日となった(約426%増加)。)

2.目的達成度

 プレックダム渡し場の利用車両は減少し(同渡し場の自動車交通量が1992年4月に424台/日であったのが99年3月で193台/日となった(約46%へ減少))、6A号線への転換は円滑になされた。6A号線を通行する物資・人の輸送料が著しく増加、沿線は発展している。

3.インパクト

 交通量増加だけでなく、定期バス就航、レストラン、工場等の出現により沿線地域の経済の開発が促進され、また沿線地域の治安も改善された。

4.妥当性

 本計画はカンボジア復興の最優先課題でもある基礎インフラ部門でもあり、その後の無償資金協力による国道6、7号線修復計画、メコン架橋計画にも連なっており、極めて妥当であった。

5.自立発展性

 6A号線の交通量増加、1997年の洪水被害もあり、道路の損傷の度合いが見込みより大きくなっているので、カンボジア政府は、無償資金供与による道路建設センター(RCC)の資機材の有効利用により道路の維持管理につとめている。

6.今後必要とされるフォローアップ

 1997年の洪水により落橋した第26号橋梁他は早急に復旧することが望ましい。また、道路施工管理、維持管理技術移転のためにJICA専門家の派遣等技術協力が望ましい。

7.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 メコン河は、我が国の急峻な地形にある河川とその性状が著しく異なる。6A号線は、この大河の堤防道路としての機能を有しており、26号橋の落橋は予期できない自然現象によるものであったが、今後メコン河という大河についての研究・分析が必要である。


(写真)修復前の6A号線道路状況
修復前の6A号線道路状況(1993年12月)
(写真)6A号線の増大する交通量
6A号線の増大する交通量(1999年4月)


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