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ブータン 道路機材建設整備計画 第二次道路機材建設整備計画


(1999年3月、在インド大使館)


〈プロジェクト概要〉

援助形態 無償資金協力
協力年度 1987年度、95年度
協力金額 412億円、5.57億円
協力期間 通信省道路局
相手国実施機関 アセアン家禽病研究訓練センター
協力の内容 日本からブータン政府に対し、道路を整備するための各種の道路建設機材(ブルドーザ、ホイールローダー、トラクター・トレーラ等)を供与し、ブータン国内の道路整備の推進を図り、単なる交通手段の確保のみならず各種産業への貢献を通じ、国民の生活向上に資する。


〈評価要旨〉

1.効率性

 フェーズ1、フェーズ2ともに、機材供与時にJICAスキームによる技術者派遣制度により技術者を派遣し、建設機械の操作法の技術指導を実施した。

 フェーズ2の供与機材は主としてブータン中部の修理工場に整備されており、この修理工場には建設機械のメンテナンスを担当する青年海外協力隊員を派遣し、有効利用が図られている。

2.目的達成度

 ブータンの産業基盤を強化する上で道路網整備は必要不可欠のものであり、さらに地形、気候による土砂災害への対処の観点から、道路建設機材及び関連補修機器等が供与され、機材の活用により単なる道路建設のみならず、災害等により生じた道路の補修工事を通じ、人や物資の円滑な移動が可能となり、農業をはじめとする各種産業の発展をもたらしている。

3. インパクト

 ブータンの道路延長は1988年には2,273キロメートルであったものが、97年時点では3,376キロメートルに延長されており、ブータンによる道路建設に非常に大きな役割を果たしている。

4. 妥当性

 国家建設の基本計画である第六次5カ年計画(1987年開始)、第七次5カ年計画(92年開始)及び第八次5カ年計画(97年開始)において道路整備は、重要な政策と位置づけられており、本件はこれら開発計画の主旨と合致する。

5. 自立発展性

 ブータン南部地域の治安状況の悪化により、当初供与機材を維持管理していた修理工場を閉鎖し、中部地域に新たな修理工場を設立し、主要機材を当該工場に配置換えするとともに、工場長以下30名余りの技術者、技師が青年海外協力隊隊員の指導の下メンテナンスに従事している。また、供与機材の一部である再生修理設備機器を有効活用することにより、スペアパーツの入手コストを大幅に削減している。

6. 環境への配慮・影響

 ブータンは急峻で山がちの地形であり、この地形に適応した小型で小回りの効く高性能な建設機械等が本プロジェクトで供与されており、機材の使用による自然破壊が少ない。

7. 今後必要とされるフォローアップ

 フェーズ1で供与された道路建設機材は、引き渡し後、既に10年近く経過しており、地形・気候上も劣悪な条件の下での使用により、かなり老朽化が認められる。フェーズ2の供与機材の一部は道路不良等の支障があり、今後、修理班の派遣、スペアパーツの供与などが必要であろう。


(写真)ブルドーザ、ホイールローダー
ブルドーザ、ホイールローダー(フェーズ1)
(写真)トラクター・トレーラ
トラクター・トレーラ(フェーズ2)


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