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第4章 NGOとの共同評価
「NGO・外務省相互学習と共同評価」(カンボジア)


(現地調査期間:1999年3月17日~3月26日)


ステファニ・レナト 名古屋NGOセンター理事長 カンボジア
神田 浩史 APECモニター・NGOネットワーク代表
秦  辰也 曹洞宗国際ボランティア会事務局長
重田 康博 NGO活動推進センター主幹
實取 直樹 外務省経済協力局評価室
大川 直人 JICA評価監理室
三島 光恵 オーバーシーズ・プロジェクト・マネージメント・コンサルタンツ株式会社
(コンサルタント)


〈評価対象プロジェクトの概要〉

プロジェクト名 援助形態 協力年度、期問、金額 プロジェクトの概要
基礎教育環境整備事業 NGO案件 97年
360万円(建設資材・教具費300万円、事業運営費60万円)
学校委員会負担分:約25万円
荒廃した校舎を住民参加というプロセスの中で建て替えることにより基礎教育環境を充実させる。
カンボディア難民再定住・農村開発プロジェクト 三角協力 第1フェーズ(92~94年)
第2フェーズ(94~98年)
第3フェーズ(98~)
農村基盤整備を行うと共に、日・ASEAN双方の専門科、肯年海外協力隊による技術協力を行い、以って難民再定住を促進し、農村地域開発に資する。また、ASEAN諸国と協同で技術協力を行うことにより、これらの国々に技術協力の具体的ノウハウを伝え、その援助国家を促進する(南南協力支援)。


第1章 調査方針


1.1 調査の背景

 1996年4月に発足したNGO・外務省定期協議会は、開発途上国の現場で被益者と密接に関わりながら協力活動を展開しているNGOとODAが協力・連携することにより、より効果的に開発援助を実施すべく、今後の双方の協力・連携のあり方について議論を行っている。

 「NGO・外務省相互学習と共同評価」は、同協議会における議論の中でNGOとODAとの具体的協力・連携の方向性を模索するための方策として提案され、実施に至ったものである。1997年、バングラデシュにおいて実施された最初の共同評価でこのアプローチの有効性が認められたため、今般、第2回目の「NGO・外務省相互学習と共同評価」としてカンボジアにおいて共同評価調査を実施することとなった。

 NGO・外務省定期協議会における提言を踏まえ、今回の評価調査には援助実施機関であるJICAからの参加を得ることとした。


1.2 調査の目的

 本件調査は、NGO関係者とODA関係者が共同で双方の援助活動を評価することを通じ、互いの援助活動につき学習すると共に今後の協力・連携関係の具体的方向性を導き出すことを目的とする。より具体的には、NGO案件として曹洞宗国際ボランティア会の「基礎教育環境整備事業」、ODA案件として「カンボジア難民再定住・農村開発プロジェクト(三角協力)」について各プロジェクトの実施状況、目的達成度、地域社会へのインパクト、自立発展性、計画の妥当性等の各点から評価調査を行い、双方の案件形成実施方法等について学習するとともに、今後のNGOとODAの協力・連携の方向性等につき提言を行うことを目的とする。


1.3 調査実施及び調査結果取りまとめの方法

 評価基準としてDACの評価5項目(目標達成度、効果、自立発展性、計画の妥当性、実施効率性)を基本としつつも、評価5項目にとらわれない率直な意見については反映することとした。また、調査団内において調査項目に関する議論を行った結果、住民参加についてのチェック項目を追加することとした。各々の案件評価は調査団全員で行うこととし、可能な限り住民からのヒアリングを行った。

 調査報告書の作成にあたっては、報告書全体の統一をとりつつ、かつ、取りまとめにかかる時間短縮を図るため、コンサルタントが作成した原案に調査団員全員の意見を反映する形式を採ることとした。

 調査期間が非常に限られていたため、日本において可能な限りの情報及び資料収集に努め、外務省技術協力課担当官及びJICA本部のプロジェクト関係者等からのヒアリングを行った。現地においてはカンボジア政府関係省庁関係者、スヴァイリエン州当局関係者、ASEAN4ヶ国(インドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ)大使館関係者、曹洞宗国際ボランティア会関係者、日本国大使館関係者、JICA関係者及びUNDP関係者等、可能な限り多くの関係者よりのヒアリングを行うとともに、事前に収集した情報を確認することとした。

 なお、本評価調査にあたっては時間の制約から評価対象案件のサイト視察に十分な時間が取れなかった為、案件概観の域に留まらざるを得なかった感があるが、可能な範囲において調査を行い、調査を通じて得た学習結果を「所感」としてまとめることにした。また、調査結果に基づいて考案した今後のNGO・ODAの連携に向けての一案を「NGO・ODAのパートナーシップに向けて」としてまとめることとした。


1.4 現地調査日程

 平成11年3月17日より3月26日までの10日間(日程概要以下のとおり)

3月17日(水曜日) プノンペン着
JICA事務所関係者との打ち合わせ
大使館担当者との打ち合わせ
18日(木曜日) 曹洞宗国際ボランティア会事務所関係者との打ち合わせ
経済財務省及び農村開発省関係者よりのヒアリング
19日(金曜日) 教育・青少年・スポーツ省及びカンボジア開発評議会関係者よりのヒアリング
ASEAN大使館経済協力担当官との懇談昼食会
UNDP及び外務国際協力省関係者よりのヒアリング
21日(日曜日) スヴァイリエン州へ移動
州知事及び州当局関係者よりのヒアリング
22日(月曜日) NGO案件サイト視察
学校関係者、学校建設委員、住民よりのヒアリング
23日(火曜日) NGO案件サイト視察
プノンペンへ移動
24日(水曜日) 三角協力案件サイト視察(コンポンスプー州及びタケオ州)
25日(木曜日) 三角協力案件サイト視察(コンポンスプー州及びタケオ州)
NGO関係者及びODA関係者との懇談会
26日(金曜日) 大使館及びJICA事務所関係者に対する概要報告
プノンペン発


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