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第9章 現地コンサルタントによる評価
スリランカ 低所得者住宅改善計画


(1998年3月、日本工営 コロンボ事務所)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  無償資金協力
 協力年度  1992年度
 協力金額  3.07億円
 相手国実施機関  住宅・都市開発省国家住宅開発庁
 協力の内容  低所得者を対象とした住宅建設用屋根材として波形および平板トタン板1.995トンを供与する。


〈評価要旨〉

1 効率性

 一般的に使用されている屋根材と比較しても耐久性および費用の面でトタン板が最も効率的であった。また、本件無償援助により供与されたトタン板はスリランカ製のものと比べ耐久性に富んでいる。

2 目標達成度

 供与したトタン板のうち国内の輸送で破損したものを除く約20万6千枚が国家住宅開発庁を通じて住民に配布された。当初、一戸当たり38枚が配布される予定であったが計画が変更され、一戸当たり26枚が配布された。

3 インパクト

 低所得者層の住宅建設が促進され、住宅用資材の販売増加、建設関連の雇用が創出された。住宅事情が改善され配電が可能となった結果、地方電化が進み、治安の改善を含む住民の生活改善に寄与した。

4 妥当性

 低所得者向け住宅改善に向けトタン板を供与することは政府の基本政策に合致していた。供与の時期、トタンの耐久性、建築の費用の点からも妥当であった。

5 自立発展性

 住宅・都市開発省は、住宅開発を推進させるための下部機関として国家住宅開発庁を設置し、本件無償資金協力の稗益者に対し技術的助言および指導を行っている。

6 今後必要とされるフォローアップ

 日光が強い地域においては屋内の温度がかなり高くなるが、通常低所得者の住宅は狭いことから状況は悪く、窓や換気口を設置するなどの対応が必要。

7 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 塗装のないトタン板は日光を反射することから、特に密集している地域においては景観を損なう原因となっている。

 配布されたトタン板の運搬は住民負担とされたため住民は多大な労力を要した。


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