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パプアニューギニア 第2次地方病院改修計画


(1997年3月、ジョン・コル 財務計画省国家計画庁二国間援助課日本担当官、
アナ・マリアナ 財務計画省国家計画庁資源計画・管理課管理評価官)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  無償資金協力
 協力年度  1991年度、92年度
 協力金額  15.57億円、16.41億円
 相手国実施機関  保健省
 協力の内容  7つの州立病院に対する医療器材供与等(クンディアナ州立病院への施設と医療機材、マダン州立病院への医療機材)を行った。


〈評価要旨〉

1 効率性

 パプアニューギニアにおける州立病院の施設と機材は、1950~60年代に建設・設置され使用されてきたが、内科と外科用サービスヘの需要を満たすには不十分であったので、本件医療機材の供与により、関連州病院のほぼ全ての人々に医療サービスを提供できるようになり、投入の規模に見合った成果があった。

2 目標達成度

 新施設と機材は、病院での医療サービスの水準の改善に寄与しており、特にクンディアナ州立病院の移設は安全面で効果があり、目標はほぼ達成された。

3 インパクト

 本件協力により7州の州立病院、なかでも本評価対象の2州の病院については、診察環境の改善、病院の事務の改善、医療水準の改善等の効果を達成し主要な問題は解決された。

4 妥当性

 両病院とも地域の基幹病院であり、その役割を果たすべく機材を供与したことはタイミングの良いものである。

5 自立発展性

(1) クンディアワ州立病院

 施設の管理状況は全体的に良い状況である。機材については、維持管理のためのスタッフ訓練の調整不足、スペアパーツ購入の体制が確立していない。

(2) マダン州立病院

 管理課(技術サービス、生物医学技術、構造技術を担当)に資格を持った技術者が少なく、民間からの一時雇用に寄っている。

6 ジェンダーへの配慮・影響

 本協力により地方病院の医療サービスが改善し、産婦人科等を通じ女性の社会的地位向上に大いに役立っている。

7 今後必要とされるフォローアップ

(1) クンディアナ州立病院

 医療機材のスペアパーツはプロジェクト終了後直ちに使用されてしまった。この機材の殆どは日本製であり、維持管理を担当する公共企業省も予算不足のため州病院の維持管理を行うことが困難である。

(2) マダン州立病院

 同病院管理課には資格をもった技術者が少ない。他方、保健省は、同省内に病院施設部門を創設し維持管理を行う予定であるので、技術協力を行うことが重要である。(1991年度分については、98年にフォローアップ調査を行い、99年6月現在資機材購送に向け手続きを進めている。)

8 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 医療器材の一部は、電子化されているため、当国では、修理が難しいものもあるので、技術者を維持管理のための研修コースに参加させたり、交換部品を供与することも重要である。


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