(1998年1月、F. A. マサウエ ムヒンビリ病院主手術室部長、
C. N. ハムザ タンザニア保健省病院局保健管理官)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1994年度 |
協力金額 | 7.94億円 |
相手国実施機関 | 保健省 |
協力の内容 | 当国にある6つの中核病院に医療機器を供与することにより、医療サービスの向上を図る。 |
〈評価要旨〉
1 目標達成度
医療機器供与のあった部署の職員は本プロジェクトを大変高く評価していた。本プロジェクトにより機器が供与された後は、患者に対して効率的な治療を行うことができるようになった。また、医療機器を扱う職員は本プロジェクトを通じて、最新の医療技術を獲得することができた。さらに、生徒への教育にも役立つなど、目標は達成されたといえる。
2 インパクト
同国は経済危機に直面していることから、同国政府により本プロジェクトで供与されたような医療機器を購入することは不可能であった。しかし、医療機器供与により、あらゆるレベルの国民が検査や治療を受けることができるようになったことから、市民への稗益効果は高いと考えられる。
3 自立発展性
大部分の供与機器は、良好な状態で使用されていた。供与機器の一部である、オートクレーブ滅菌器、上部消化器内視鏡等が故障により使用されていなかった。
4 ジェンダーへの配慮・影響
産婦人科用超音波装置の供与、機器の使用により使用者および生徒の技術と知識が向上して、同国の産婦人科医療に貢献した点において、女性への配慮・影響があったといえる。
5 今後必要とされるフォローアップ
スペアパーツ、消耗品、付属品の入手ルートの確立や故障している機器の修理が必要である。(1998年度にフォローアップ調査を行い、現在スペアパーツ等の購送手続き中)
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
医療機器には電子部品を組み込んだ機器もあることから、医療機器供与のようなプロジェクトを円滑に運営していくためには、供与機器選定の段階での病院関係者からの意見の聴取、定期的なメンテナンスのフォローアップ、機器の使用者と病院技師に対する十分な国内外でのトレーニングの実施、適切な代理店の発掘・活用、当該国政府のプロジェクトに対する十分な予算の割り当て、スペアパーツの容易な調達といった点を考慮すべきである。