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パプアニューギニア ラジオ放送局改良計画


(1998年3月、在パプアニューギニア大使館)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  無償資金協力
 協力年度  1988年度
 協力金額  3.72億円
 相手国実施機関  国営放送公社(NBC)
 協力の内容  NBCが策定した計画に基づき、17放送局に対して放送機材(10キロメートル短波送信機、高周波出力切替装置、番組入力装置、保守用測定器スペアパーツ及び据付材料一式等)の更新設置を行った。


〈評価要旨〉

1 効率性

 機械の据え付けばNBCが実施し時間を要したものの、ほぼ効率的に行われた。

2 目標達成度

 本協力による新しい短波放送設備の設置により、ほぼ全ての国民を対象として5時から8時、17時から22時まで、全国・地方のニュース、教育、農業、道徳、健康、伝言、災害情報等を主としたサービスを地域住民に提供することができるようになった。

3 インパクト

 聴取者の反応としては、特に伝言サービスが好評であり、リクエストの数が増加し、放送が明瞭で聞き易くなったとの声が多く届いている。

4 妥当性

 当国は、国土の地形的制約から、人口の多くが分散、隔絶して農村地帯に居住しており、道路、電話、電気等のインフラ設備もたち遅れているため、新聞、テレビによる情報サービスを享受できる人口は極めて少ない。他方、ラジオは殆ど全ての地域に普及しており、ラジオ放送が唯一の全国的情報源で青少年、婦人向けの教育手段となっているため、プロジェクト選定・形成は極めて適切であった。

5 自立発展性

 技術者の配置については、本部には工科大学を卒業して主として計画策定、設計等を行う技術者を、地方センターには専門学校を卒業した技師を、また地方放送局には技術者を常駐させている。また、無線設備の維持管理費については、1997年度の場合、8300キナと非常に厳しく、スペアパーツの購入、部品交換等が厳しい現状にあるが、最近財政検討委員会を発足させ、収入の増加、組織等の改善に取り組んでいる。

6 ジェンダーへの配慮・影響

 本協力によりラジオ放送サービスが安定的に提供されるようになり、児童向け、婦人向け健康・教育番組を通して少なからず婦人の社会的地位向上に貢献している。

7 今後必要とされるフォローアップ

 供与機材は、約9年が経過しており、全体的に機材は老朽化しつつある。このため、特にパワーアンプ、変調バルブのスペアパーツが必要な状態にある。

8 将来他のプロジェクトを実施する際に教訓として活かされるべき事項

 本プロジェクトのように短波送信機等の簡易機材を供与する場合には、その据え付けに当たっては専門家を派遣すると同時に各局に配置される技術者の訓練も出来るだけ支援して行くことが重要である。


(写真)ポポンデタ放送局


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