(1998年3月、在ニュー・ジーランド大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1990年度、91年度 |
協力金額 | 4.90億円、6.87億円 |
相手国実施機関 | 公共事業省、運輸省 |
協力の内容 | サイクロン被害による国内港湾(アピア港、ムリファヌア港、サレロロが港)施設の復旧および道路建設用採石プラントヘの機材供与(クラッシャー、ブルドーザー、発電機、ダンプトラック)を行った。 |
〈評価要旨〉
1 効率性
重要社会インフラの施設の復旧という案件の性格上、プロジェクトの効率性は極めて高く、港湾施設、道路施設、道路建設用採石プラントの両サイトとも、被災前に比べ、新たな施設、設備、機材が加わり、その機能が大幅に向上した。
2 目標達成度
港湾と道路建設分野の既存のインフラ施設に対する緊急災害復旧計画という案件の性格上、完成・稼働とともに直ちに100%の目標・効果を達成した。
3 インパクト
海運と道路交通という重要セクターの復興に寄与し、さらには被災前に比べ新たな設備・機材の導入により明確な機能向上が見られた。
4 妥当性
港湾施設と道路建設用採石プラントは、島嶼国という性格上、大型サイクロン被害の復旧計画の中でも、計画の要となり、最も迅速な復興が要求された分野であり、プロジェクト選定・形成の適性度・妥当性は極めて高いものであった。
5 自立発展性
道路建設用採石プラントへ供与された機材・車両は供与後7年を経てもフル稼働している一方、高い稼働率、メインテナンスヘの配慮不足から消耗度が激しい。また、機材の耐用年数が年々近づいてくることから、機材の更新、購入の問題が今後実施機関側にとり重要となろう。他方、港湾施設部分の工事案件、航路標識ともよく整備されており、特段問題はない。唯一アピア港港湾事務所建物の雨漏りがある程度である。
6 環境への配慮・影響
採石プラント、港湾施設とも既存の施設の復旧工事・機材供与案件であったため、環境への影響はない。
7 今後必要とされるフォローアップ
港湾施設部分、採石プラント部分とも、サモアの重要インフラ施設であるため、アフターケアについては、基本的には実施機関側の責任・自助努力に任せられるべきものである。
8 将来他のプロジェクトを実施する際に教訓として活かされるべき事項
採石プラントに関し、工事機材の供与に当たっては、その安全管理上の設備・対策、粉塵防止対策、作業員の防塵対策につき、供与時にパッケージとして付与するか、実施機関側に十分な対策を講ずるよう援助の条件とする対策を図るべきである。